「表情豊かな空を残すために」 石原良純さんが考える気候変動対策
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国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)では、気候変動対策のほか豪雨などの災害による死者や被災者を大幅に減らすことも目標に掲げる。気象予報士の資格を持つ俳優の石原良純さんに、近年の異常気象や日ごろの生活の中で防災を意識することの重要性などについて語ってもらった。【聞き手・桐野耕一】
――気象予報士の合格率は数%と難関です。資格取得のきっかけは。
◆僕は海水浴場のある神奈川県逗子(ずし)市に生まれました。水平線の上に広がる空をいつも眺めながら育ちました。夏の初めに南風が強く吹く日があって、街の東西にある二つの山の上に雲が湧くんです。でも自分の住んでいる街の上を見上げると雲が湧かない。子どものころから不思議でしょうがなかった。30年ほど前にお天気キャスターの森田正光さんとテレビ番組でお会いして雲や天気の話をした際、「気象予報士という制度ができたから、勉強したら謎が解けますよ」と受験を勧められました。
専門書を読むと、地球の成り立ちから始まり、上昇気流によって雲ができることなどメカニズムが詳しく書いてある。なるほどこういうことだったのかと、おもちゃ箱をひっくり返しているような楽しさがありました。こんなに勉強が楽しかったのは初めての経験。2度目の受験では家庭教師もつけ、1996年に資格を取りました。
教訓生かし予報の伝達方法向上
――近年異常気象による災害が度々起きています。
◆異常気象は30年に1回程度の頻度で起きるものとされていますが、降水量などデータ的にも極端な気象現象が増えているのは間違いない。衝撃を受けたのは2014年8月に広島市北部で発生した豪雨と土石流。…
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