- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

広島市で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、ウクライナ危機の陰に隠れた印象があるとはいえ、気候変動問題も主要議題だった。日本が力を入れる政策に明確な賛同が得られないなど、議長国なのに「おいてけぼり」感が拭えなかったが、近年、気候変動を巡る国際交渉でも日本が世界の動きから取り残されるような場面が目立つようになっている。
政府方針は「賛成せず」だったが…
「ハシゴを外された」
日本政府の交渉担当者がこう振り返る、見込み違いの出来事が2022年11月、エジプト・シャルムエルシェイクで開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)であった。
COP27議長国・エジプトは「途上国の代表」として、地球温暖化の影響による「損失と被害(ロス&ダメージ)」を主要議題に掲げていた。損失と被害への支援の仕組みは途上国、特に島国など温暖化の影響を受けやすい国が長年求めてきたが、先進国と途上国の間で意見の対立が激しく、約30年にわたって具体的な進展がなかった。
日本政府の交渉担当者は「COP27でも基金設立合意は難しい」と見ていた。21年のCOP26での演説で、岸田文雄首相が「途上国に5年間で最大100億ドルの追加支援をする」と表明していたこともあり、政府内ではさらに資金拠出を求められる可能性が高い基金の設置に反対する意見が大勢を占めたという。
「途上国を支援する基金の設立には賛成できない」。開幕直前の会議で、日本政府としての対応方針はそう決まった。
ところが、COP27の交渉は…
この記事は有料記事です。
残り1944文字(全文2596文字)
時系列で見る
-
日本の脱炭素戦略は「危険な賭け」か 識者が指摘する問題点
1日前 -
COP議長は石油企業トップ 欧米からUAEに向けられる懸念
2日前 -
45年前の2.2倍、増える線状降水帯 地球温暖化の影響か
3日前 -
福岡銀行など九州の11社 環境負荷の低減目指し連携「サロン」
5日前 -
温泉街が廃熱活用で脱炭素 CO2排出実質ゼロ観光地へ 松江
5日前 -
廃食油からバイオ燃料 大分・国東市が消費 回収と精製サポート
6日前 -
地球温暖化対策で「派遣切り」 南アの石炭火発、閉鎖の衝撃
6日前 -
エネルギー安定供給と脱炭素の両立を 過渡期迎えた東京ガスの狙い
6日前 -
相手にされず「おいてけぼり」 気候変動対策で孤立する日本
12日前 -
気候変動、かすんだG7サミット 温室ガス削減で大きな前進なし
15日前深掘り -
「風の力で水素」ゼロエミッション船の実証実験 長崎・大村湾
18日前 -
温暖化でホームラン増 研究で伝えたいこと=八田浩輔(NY支局)
18日前 -
世界の平均気温、5年以内に「1.5度超」も 世界気象機関が警告
19日前 -
食料不足2.5億人「根本原因に対処を」 WFPチーフエコノミスト
19日前 -
脱炭素、支持されない「日本流」 石炭火力や混焼、他のG7批判
20日前深掘り -
「地球に住む全員の未来が…」国会議事堂前で気候変動対策デモ
24日前 -
コーヒーが飲めなくなる? 気候変動が襲う「アラビカ種」の産地
25日前 -
「気候変動の偽情報で収益」 NGOがグーグル批判の調査報告書
27日前 -
G7気候・エネルギー・環境相会合 危うい「日本流」脱炭素=岡田英(くらし科学環境部)
27日前注目の連載