「お互いの最期に立ち会えないかも」 同性婚カップルが訴える不都合
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同性同士で結婚できないのは憲法違反だとして、同性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁で言い渡される。同種訴訟は全国5地裁で起こされ、合憲か違憲かを巡る裁判所の判断は分かれている。原告は4件目の地裁判決を前に「どちらかの人生が終わる時(一緒に過ごせて)『良かったね』とお別れしたいが、かなわないかもしれない。裁判官にはそこを真摯(しんし)に受け止めてほしい」と話す。
原告は愛知県内で暮らす30代の大野利政さんと鷹見彰一さん(いずれも仮名)。現行の婚姻制度が「婚姻の自由」を保障する憲法24条と「法の下の平等」を定めた14条に反するとして、1人当たり100万円の損害賠償を求めている。
2人は2016年秋、マッチングアプリを通じて出会った。動物や植物が好きで、旅行という共通の趣味もあったが、それ以外は正反対だった。家事が得意で気配りができる鷹見さんと、いざという時に決断でき頼りがいのある大野さん。互いを補い合う関係が「しっくりきた」という。
17年5月、ディズニーランドのシンデレラ城の前で、大野さんからプロポーズした。鷹見さんの「憧れのシチュエーション」だった。結婚式を挙げたいという気持ちもあったが、法律上は婚姻関係を認められていないのに式だけ挙げることに違和感を覚え、正装での写真撮影にとどめた。
翌年にはマンションを購入した。2人は同居に先立ち、互いに相手を後見人とし、将来の相続などについての取り決めを記した「公正証書」を約15万円かけて作成。「病院や役所の手続きで(関係を証明する)必要が生じた時、せめてもの『武器』になればと思った」と鷹見さんは明かす。
同性カップルの関係を自治体が証明する「パートナーシップ制度」は各地に広がり、パートナーを生命保険の受取人に指定したり、クレジットカードの家族カードを作成したりもできるようになった。ただ、企業によって対応が異なり、大野さんは「選択肢は限られてしまう」と話す。実際、携帯電話の家族割引が適用されないことがあった。
「契約の度にカミングアウトしなければいけないし、それは命がかかった場面でも同じ」と鷹見さん。どちらかが入院しても…
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