特集

首相演説先で爆発物

2023年4月15日、岸田首相が衆院和歌山1区補選の応援演説会場を訪れた際、爆発物を投げつけられました。

特集一覧

記者の目

岸田首相襲撃事件 「教訓」はどこへ、警備に隙=山口智(くらし科学環境部・前和歌山支局)

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
容疑者を取り押さえる警護員ら。この直後、十数メートル先で爆発が起きた=和歌山市で4月15日、山口智撮影
容疑者を取り押さえる警護員ら。この直後、十数メートル先で爆発が起きた=和歌山市で4月15日、山口智撮影

 細長い筒状の物体が、ふわり放物線を描いて聴衆の頭上を越えていくのが見えた。地面に落ちると「カラン」と乾いた音が響いた。

 4月15日午前11時半ごろ、和歌山市で岸田文雄首相に向けパイプ爆弾とみられる爆発物が投げ込まれた。衆院和歌山1区補選を取材中の私の目前だ。騒然とする現場で、頭を占めたのは「またか」の思い。参院選のさなかの2022年7月、隣県の奈良で安倍晋三元首相の銃撃事件が起きたばかりだったからだ。選挙中に政治家が相次いで襲われるようでは民主主義は守れない。元首相が命を落とした教訓は生かされていたのだろうか。

 岸田首相は自民党公認候補の応援演説のため、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港を訪れた。市内では2カ所で演説が予定され、ここが1カ所目。小さな漁師町にスーツ姿の大勢の党関係者らが集まり、岸田首相はその輪の中心にいた。記念撮影を済ませ、演説のために約200人の聴衆の前に移動した。

この記事は有料記事です。

残り1464文字(全文1862文字)

【首相演説先で爆発物】

時系列で見る

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集