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ロシア、ベラルーシで戦術核の配備開始 予定より早く作業か

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ベラルーシのルカシェンコ大統領=モスクワで2023年5月25日、スプートニク通信・ロイター 拡大
ベラルーシのルカシェンコ大統領=モスクワで2023年5月25日、スプートニク通信・ロイター

 ロシアの隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領は25日、ロシア軍がベラルーシ国内で戦術核兵器の配備を開始したと明らかにした。プーチン露大統領は3月、ベラルーシに7月までに戦術核を配備する意向を表明しており、予定よりも早く関連の作業が進んでいる模様だ。

 1991年のソ連崩壊後にベラルーシなど旧ソ連構成国に残されていた核兵器は、90年代半ばまでにロシアに移管された。今回の措置により、ロシア以外の旧ソ連構成国で再び核の配備が始まったことになる。

 ロシア国営テレビに出演したルカシェンコ氏は、プーチン氏から戦術核を配備する大統領令に署名したことを通知されたと発言。「核兵器の移送は既に始まっている」と語った。

 この発言に先立ち、ショイグ露国防相は25日、ベラルーシの首都ミンスクを訪れ、フレニン国防相と会談。両氏は、ベラルーシ国内の戦術核弾頭を保管する施設に関する文書に署名した。ショイグ氏は「西側は我々に宣戦なき戦争を続けている」と述べ、ウクライナへの軍事支援を続けている欧米諸国を批判した。

 プーチン氏は3月下旬、米国が欧州の北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に戦術核を配備してきたなどと指摘。4月からベラルーシで戦術核の配備に関連する訓練を始め、7月1日までに保管施設を完成させる方針を明かしていた。

 ロシア首脳部は2022年2月にウクライナへの「特別軍事作戦」を開始した後、度々、同国に対し核兵器を使う可能性に言及してきた。今回、配備が始まったとされる戦術核は、比較的短い距離の攻撃を想定しており、爆撃機や弾道ミサイルなどに搭載できる。【モスクワ大前仁】

【ウクライナ侵攻】

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