関西ジャニーズJr.小島健さんら捕獲 道頓堀川のニホンウナギを展示

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
道頓堀川で捕獲されたニホンウナギ=大阪市北区の毎日放送で2023年5月17日午後0時44分、前本麻有撮影 拡大
道頓堀川で捕獲されたニホンウナギ=大阪市北区の毎日放送で2023年5月17日午後0時44分、前本麻有撮影

 毎日放送(MBS)の番組企画で大阪・道頓堀川で捕獲されたニホンウナギが、大阪市北区茶屋町の同社1階で展示されている。「お魚博士」としても親しまれ、番組を監修した尾㟢豪さんは「結構、可愛い顔をしていますよ。『見つかった!』で終わらせずに論文にもしたので、生物多様性について考えるきっかけになれば」と話している。展示は29日まで。

 大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター(同府寝屋川市)と共同で調査。はえ縄と「もんどり」と呼ばれる仕掛けで、2022年11月に計11匹の捕獲に成功した。道頓堀川でのニホンウナギの生息確認は学術調査として初めてという。

 ニホンウナギの頭部内には約2~3ミリの平衡感覚をつかさどる「耳石(じせき)」があり、断面の木の年輪のような「輪紋」から個体の年齢や回遊状況などが分析できる。捕獲した5匹を解剖し、汽水域の道頓堀川に数年にわたって生息していたと考えられるとして、これらを論文にまとめた。

 ニホンウナギは大阪府のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類とされている。今回「身近にもいる絶滅危惧種から考える生物多様性」と題し、捕獲した1匹(体長約60センチ)に加えて使用した仕掛けの展示や、大阪市立自然史博物館に登録・収蔵した標本を公開している。

道頓堀川で捕獲したニホンウナギの論文を執筆した毎日放送プロデューサーの尾㟢豪さん=大阪市北区の同社で2023年5月17日午後1時15分、前本麻有撮影 拡大
道頓堀川で捕獲したニホンウナギの論文を執筆した毎日放送プロデューサーの尾㟢豪さん=大阪市北区の同社で2023年5月17日午後1時15分、前本麻有撮影

 標本のラベルは、番組で捕獲に奮闘した関西ジャニーズJr.「Aぇ! group」の小島健さんの直筆だ。

 尾㟢さんは「バラエティー番組でどこまで『サイエンス』をきちんと実践できるかを心がけている。今後も『都会の生物多様性の保全』を含めて問題提起をしていきたい」と話している。【前本麻有】

あわせて読みたい

ニュース特集