囲碁界の“レジェンド”趙治勲 頭をよぎった「引退」 その理由は…
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歴代1位のタイトル獲得76期を誇り、本因坊10連覇など囲碁史に残る数々の偉業を打ち立ててきた二十五世本因坊治勲(66)=趙治勲九段。プロデビューから55年の今年、昭和・平成を代表する大棋士は、タイトルを4年ぶりに獲得するなど好調だが、実は2年前に「引退」の2文字が頭をよぎったという。囲碁界の“レジェンド”がそこまで考えた理由は? 囲碁への思い、自身の人生も振り返りながら今後について語った。【武内亮】
大棋士が語る井山と一力の頂上決戦
静岡市で5月18、19の両日に行われた第78期本因坊決定戦七番勝負第1局。12連覇を目指す本因坊文裕(34)=井山裕太九段=と、初獲得を狙う一力遼棋聖(25)の「頂上決戦」は、一力の先勝となった。立会として戦いを見守った治勲は「一力さんは今年の棋聖戦で、芝野虎丸名人に圧倒的な内容で勝ち、かなり自信になったはずです。今シリーズは一力さんに分があると思う。仮に本因坊を取れば世代交代になるし、しばらく天下が続くでしょう」と見る。
同じ顔合わせだった前期は文裕が一力を降して、治勲が持っていた10連覇を更新して歴代単独1位の11連覇を達成した。治勲は「井山さんのことは心から尊敬します。僕の全盛期と比べてもはるかに強い。だから記録を抜かれても悔しさはないです」と語る。ただ、こう付け加えて笑った。「『10連覇ぐらいは(破られたくなかった)』なんて思いもあったけどね」
韓国から6歳で来日 俊英に囲まれ
韓国・釜山市出身の治勲は6歳の時に来日し、故木谷実九段門下に入る。道場では当時、二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)や故加藤正夫名誉王座、武宮正樹九段ら俊英たちが勉強に励んでいた。「周りが強い人ばかりで碁が萎縮しちゃってね。6歳から10歳ぐらいまでの記憶が本当にないの。もっと韓国で碁が強くなって、自信満々の状態で日本に来たかったね」
幼い頃から韓国の家族と離れ、日本で暮らしたことは人格形成にも影響したという。「寂しさを笑いでごまかすような性格になりました」
本因坊10連覇 囲碁史に金字塔
当時史上最年少の11歳9カ月でプロ入りした治勲は1973年にタイトルを初獲得すると、次々と優勝を重ねていく。89~98年には本因坊を10連覇し、囲碁史に金字塔を打ち立てた。
ところが、…
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