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兎は薄氷に駆ける

貴志祐介さんによる小説「兎(うさぎ)は薄氷に駆ける」。22歳の青年がある日突然、殺人事件の容疑者に……。

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兎は薄氷に駆ける

/262 貴志祐介 画 サイトウマスミ

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「警察は、ポンティアック・ファイアーバード・トランザムを調べた際に、スペアキーを発見したと思いますか?」

 本郷弁護士は、藤枝の目を見ながら訊(き)く。弁護側の証人ではあるが、真実を見極めたいという態度を、裁判員たちにアピールしているようだった。

「間違いなく、発見したでしょうね」

 藤枝は、自信を持って即答する。

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