- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

日本政府は「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を国際公約として掲げる。その手段の一つとして政府が推進するのが、水素やアンモニアの活用だ。火力発電で化石燃料と混ぜて使う「混焼」技術はアジアでの普及も狙う。だが、脱炭素政策に詳しい諸富徹・京都大教授はこの手段について、主要7カ国(G7)の日本以外の国から「疑問符がついている」と指摘する。日本の戦略にどんな問題があるのか。
「石炭火力廃止加速」強調した首脳宣言
――広島市で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、気候変動問題が主要議題の一つでした。
◆首脳宣言の中身は、4月に札幌市であった気候・エネルギー・環境相会合での合意を再確認するようなものがほとんどだった。ただし、その中で印象的だったのは「石炭火力のフェーズアウト(段階的廃止)」に関する書きぶりだ。
日本の反対で廃止年限は入らなかったものの、「35年までの電力部門の完全または大部分の脱炭素化や(産業革命前からの)気温上昇を1・5度に抑えるという世界目標と矛盾しない形で」といった条件がついた。1・5度に抑えるためには今後10年で大幅削減する必要があり、石炭火力の廃止を加速させるんだということが口酸っぱく書かれている。
G7の中で日本とそれ以外の欧米との間で大きく隔たりがあったのが、電力部門でのアンモニア活用の是非だった。…
この記事は有料記事です。
残り2302文字(全文2878文字)
時系列で見る
-
「今夜、BluePostで」気候正義を求める過激行動は“正義”か
102日前 -
藻を使った「グリーン給食」で食料危機を学ぼう 静岡・袋井
104日前 -
グレタさん「学校ストライキ」卒業 18年に開始、世界規模の運動に
108日前 -
NY大気汚染「1960年代以降で最悪」 カナダ山火事の煙が到達
110日前 -
体接着で道路封鎖 ドイツの過激行動、気候変動対策への効果は?
110日前 -
米国で先鋭化する「反ESG」の動き 日本企業などにも波及
110日前 -
温暖化の危機伝える「炭素予算」=大場あい(くらし科学環境部)
111日前 -
北極海の氷、夏の消失が2030年代に起こる可能性 融解が加速
111日前 -
温暖化対策は十分か 初めて進捗状況評価へ 準備会合開始
111日前 -
日本の脱炭素戦略は「危険な賭け」か 識者が指摘する問題点
113日前 -
COP議長は石油企業トップ 欧米からUAEに向けられる懸念
114日前 -
45年前の2.2倍、増える線状降水帯 地球温暖化の影響か
115日前 -
福岡銀行など九州の11社 環境負荷の低減目指し連携「サロン」
117日前 -
温泉街が廃熱活用で脱炭素 CO2排出実質ゼロ観光地へ 松江
117日前 -
廃食油からバイオ燃料 大分・国東市が消費 回収と精製サポート
118日前 -
地球温暖化対策で「派遣切り」 南アの石炭火発、閉鎖の衝撃
118日前 -
エネルギー安定供給と脱炭素の両立を 過渡期迎えた東京ガスの狙い
118日前 -
相手にされず「おいてけぼり」 気候変動対策で孤立する日本
124日前 -
気候変動、かすんだG7サミット 温室ガス削減で大きな前進なし
127日前深掘り