賃上げで成長産業へ労働移動促す 骨太原案、問われる実効性確保

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経済財政諮問会議に臨む岸田文雄首相(左)=首相官邸で2023年6月7日午後5時45分、竹内幹撮影
経済財政諮問会議に臨む岸田文雄首相(左)=首相官邸で2023年6月7日午後5時45分、竹内幹撮影

 政府が7日に示した経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案では「労働市場改革」が柱として盛り込まれた。個人の能力を生かした転職や起業により成長産業への労働移動を促し、経済成長と賃上げにつなげたい考えだ。ただ、終身雇用など長年の雇用慣行は根強く、企業や個人の事情もさまざまだ。実効性確保には環境整備が不可欠となる。

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 「労働市場改革を進めることにより、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する」。今回の骨太原案ではこうした文言が盛り込まれ、改革の必要性が強調された。

 今年の春闘では大手企業を中心に満額回答が相次いだ。経団連が5月19日に公表した集計では賃上げ率は平均3・91%に達し、連合の6月1日時点の集計でも定期昇給を含めた平均賃上げ額は1万807円、賃上げ率は3・66%で「30年ぶりの高水準」となった。

 今後は、この動きを社会全体に継続的に広げていくことが課題だ。政府は、デジタルや脱炭素といった成長分野への人材の流入を促すことで、経済を底上げして個人の賃金アップにつなげたい考えだ。

 そのため「三位一体の労働市場改革の指針」を5月に策定。成長戦略である「新しい資本主義」実行計画の改定案に盛り込み、今回の骨太原案の柱とした。リスキリング(学び直し)による能力向上支援▽職務給の導入▽成長分野への労働移動の円滑化――の三つで構成する。

 具体策として、自己都合退職の失業給付の支給を早める。現行制度では、自己都合で離職すると給付の受給まで2カ月以上かかる。これを会社都合での離職と同じく7日間程度とする方針だ。また、勤続20年以上の人の退職金への所得税軽減措置も見直す。いずれも終身雇用を前提とした制度で、改めることで…

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