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LGBT法案、自民が維新国民案を「丸のみ」 裏に首相の指示

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衆院内閣委員会で「LGBT」法案が賛成多数で可決され、一礼する自民党の高階恵美子氏(右)。奥左は立憲民主党の西村智奈美氏=国会内で2023年6月9日午後0時43分、竹内幹撮影
衆院内閣委員会で「LGBT」法案が賛成多数で可決され、一礼する自民党の高階恵美子氏(右)。奥左は立憲民主党の西村智奈美氏=国会内で2023年6月9日午後0時43分、竹内幹撮影

 「LGBT理解増進法案」の修正案が9日、急きょ提出され、衆院内閣委員会で自民、公明、日本維新の会、国民民主4党などの賛成多数で即日可決された。修正案は維新と国民民主の主張をほぼ「丸のみ」した形で、野党も含めた「幅広い合意形成」にこだわった岸田文雄首相(自民党総裁)の意向が強く反映された形となった。

 「幅広い賛同が必要だと考え、維新と国民民主の案をほぼ受け入れた」。自民の高木毅国対委員長は9日、4党が修正案に合意したのを受け、国会内で記者団に強調した。

 4党の修正協議が本格化したのは8日午後だった。協議は難航し、自民幹部は同日深夜まで国会内で維新、国民民主側との調整を続けた。首相も午後6時半前には首相公邸に戻り、与党幹部との電話協議に追われた。首相周辺は「首相はずっと電話をしていた」と明かす。

 維新関係者によると、修正案が完成したのは内閣委開始予定の約1時間前の9日午前7時45分。与党案にある「性同一性」という表現を使わず、維新・国民民主案が使用した「ジェンダーアイデンティティ」を盛り込む形で落ち着いた。維新の音喜多駿政調会長は記者団に「ほぼ満額回答だ」と協議の成果を誇った。

 当初の与党案採決から方針転換し、維新・国民民主案を丸のみしてでも修正合意にこだわったのは首相だった。与党案を強行すれば、理解増進を図る法案にもかかわらず「世の中の分断を広げる結果になりかねない」(首相周辺)との懸念があったためだ。首相は自民幹部に…

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