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本村凌二・評 『ホメロス叙事詩の世界 「イリアス」と「オデュッセイア」』=川島重成・著

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『ホメロス叙事詩の世界』
『ホメロス叙事詩の世界』

 (ピナケス出版・9680円)

「地中海文明」の理解に最適

 ひと昔さかのぼれば、欧米の教養人なら誰もがためらうことなく、まず読むべき本としてホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』をあげただろう。もっと昔の古代にさかのぼれば、かの野望にもえるアレクサンドロス大王は『イリアス』の愛読者であった。ギリシア軍最大の勇者アキレウスにあこがれ、東方遠征途上にはトロイアを訪れ、勇者の墓に花冠を捧(ささ)げるほどだった。

 しかしながら、わが国では、ホメロス叙事詩はそれほど親しまれていない。一度目を通したなら、アレクサンドロスのように、なんどでも読みたくなるにちがいないが。

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