子どもを性犯罪から守る「日本版DBS」 なぜ民間は義務化外なのか

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日本版DBSの義務化の対象に、塾やスポーツクラブも含めるよう求める要望書と署名を受け取る小倉将信こども政策担当相(左から2人目)=東京都千代田区内で2023年9月1日午後0時34分、小鍜冶孝志撮影
日本版DBSの義務化の対象に、塾やスポーツクラブも含めるよう求める要望書と署名を受け取る小倉将信こども政策担当相(左から2人目)=東京都千代田区内で2023年9月1日午後0時34分、小鍜冶孝志撮影

 性犯罪歴がある人が子どもと関わる職業に就かないようにするための「日本版DBS」。政府の検討が進む中、推進派の団体の間で、ある懸念が広がっている。

 「子どもを性被害から守れる制度にしてほしい」。今月1日、日本版DBSの義務化の対象を、子どもに関わる全ての仕事とするよう求めた8万筆超の署名と要望書が小倉将信こども政策担当相に届けられた。認定NPO法人「フローレンス」(東京都千代田区)が急きょ取り組んだものだった。

 同法人の駒崎弘樹会長は「子どもに関わる仕事全てを義務化の対象にしなければ、あらゆる場面で子どもを性被害から守ることができない」と要望した。

 小倉氏は「重く受け止め大切にしたい」と答えたものの、塾やスポーツジムなど民間の事業者は、任意の「手挙げ方式」となる見込みだ。保育所などと違い、事業要件を定める法律がなく、監督省庁がないことが影響している。

 手挙げ方式で認定を受けた事業者は、DBSで求職者の犯歴を照会することが義務化され、保護者が事業者を選ぶ判断材料になる。

 8月には大手中学受験塾の元講師が教え子を盗撮したとして逮捕される事件が起きたばかり。事業者にとっても採用の段階でリスクを軽減でき、大手塾などに歓迎ムードが広がりつつある。

 ただ、認定制度がどこまで浸透するかは未知数だ。子どもに関わる職業は多様で、子役がいる芸能事務所やス…

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