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欧米の報道機関、チャットGPTのデータ収集ブロック 無断利用警戒

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チャットGPTのロゴ(左)=2023年2月9日、ロイター 拡大
チャットGPTのロゴ(左)=2023年2月9日、ロイター

 欧米の報道機関で、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を巡るデータの自動収集システムをブロックする動きが広がっている。システムはインターネットを巡回しAIに学習させるためのデータを集める。報道機関側は自社の記事や画像を無断で利用されることを権利侵害と捉え、警戒している。

 チャットGPTを運営する米新興企業オープンAIは8月、AIの学習用データを収集するための新たなシステムを公表し、その際にブロックするための方法も示していた。

 報道各社のサイトを調べたところ、米紙ニューヨーク・タイムズや米CNNテレビ、英ロイター通信、英紙ガーディアン、仏テレビ「フランス24」、オーストラリアの公共放送ABCなどでこのシステムがアクセスできないように設定されていた。フランス24を所有するフランス・メディア・モンド社は、欧州メディアに「私たちはコンテンツ制作にお金と人を投資しており、そのデータを使って無償で(AIに)学習させることは望まない」と主張している。

 チャットGPTなどの生成AIはネットなどで収集した膨大なデータで学習し、利用者の問いかけに答える。報道機関のニュース記事や画像を基に回答することも多いが、多くの人が対話型AIなどでニュースを確認するようになれば、発信元である報道機関のサイトを訪れる数が減る可能性がある。

 生成AIを巡っては著作権侵害のほか、個人情報の漏えいや偽情報の拡散の危険性も指摘される。日本新聞協会など世界26の報道機関やメディア団体は9月6日、「生成AIは社会に利益をもたらす一方、ジャーナリズムに対する信頼や民主主義の健全性にリスクをもたらす」として、AI開発者や規制当局に対応を求める「世界AI原則」を発表している。【ブリュッセル岩佐淳士】

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