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消防団員のホンネ

消防団員が年々減っています。防災力向上への役割が期待される一方、さまざまな課題も。消防団の実態に「ホンネ」で迫ります。

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「解任されるかも」消防操法大会を辞退の分団長 上層部から圧力

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消防操法大会を巡り一触即発
消防操法大会を巡り一触即発

 各地の消防団が、団員の高齢化という課題に直面している。ある分団長はメンバーの高齢などを理由に、消防団が消火技術を競う「消防操法大会」への出場を辞退した。すると上層部から激しい圧力がかかり、分団は一斉退団も辞さない一触即発の状況に――。分団長の抵抗を巡る顚末(てんまつ)を追った。【御園生枝里】

 「分団長を解任されるかもしれません」

 舞台は茨城県北部にある市の消防団。分団長を務める男性(60)が、毎日新聞の情報提供窓口「つながる毎日新聞」に情報を寄せた。

 発端は9月下旬に開かれる消防操法大会(県北地区大会)に向けた選手選考だった。

 市消防本部によると、以前は市の大会で優勝したチームが、代表として県北地区大会へ出場していた。しかし、入団者の減少などで訓練に参加する団員の確保が難しく、2020年度からは市内の5地域から輪番で出場することになった。

 20~22年度は新型コロナウイルスの感染拡大で中止され、23年度は輪番制になってから初めての大会。「小型ポンプの部」「自動車ポンプの部」の2種目のうち、自動車ポンプの部は男性の住む地域から選手を出す順番だった。

高齢、多忙…「選手出せない」

 男性が分団長を務める分団には約40人が所属しているが、年齢は40~60代が多く、高齢化が進む。

 消防操法大会ではホースを抱えて走ったり、標的に放水したりし、そのスピードや正確さなどを競う。体力を必要とし、大会が近づくと連日の練習が不可欠だ。

 消防団の上層部からは、自動車ポンプの部に出場する選手として、分団から4人を出すよう求められた。

 男性は団員に出場の可否を尋ねたが、高齢のため出場が難しかったり、数少ない若手も仕事が忙しかったりして、出てくれる人は見つからなかった。

 男性は7月上旬、消防団の会議で「選手は出せない。今後も出せない」と宣言した。すると、他の分団長や幹部が「とんでもない」と激怒。男性も主張を曲げず、話は平行線で終わった。

進退巡り一触即発

 その4日後から説得工作が始まった。複数の幹部に呼び出され、「進退はどうするんだ」などと迫られた。男…

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