「これからは脱金八」自民・萩生田政調会長 転校に猛反発の中学時代
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自民党政調会長の萩生田光一さんは政界の教育通として知られ、文教政策のカギを握る人物の一人です。社会問題化している公立学校教員の長時間労働について、ジャーナリスト・田原総一朗さんのインタビューに「学校のマンパワーを増やし、授業や子供と向き合う時間を作る」と語りました。働き方改革は「脱金八先生」がキーワードだそうです。
「本来業務でないことに忙殺されている」
田原 公立学校では中学校で8割、小学校で6割の教員が国の指針(月45時間)をオーバーする残業をしています。でも、教員給与特別措置法(給特法)があり、労働時間に応じた残業代が出ない。公立校教員の採用倍率は過去最低です。
萩生田 昔の学校の先生は授業を主とした上で、子供の授業以外の学びや一人一人のサポートをするのが仕事でした。でも、今は学校への社会の要請がものすごく増えてしまっています。本来は学校の業務ではないことに、先生が忙殺されて勤務時間が長くなっているのです。
教育の成果を左右するのは先生の力だと思います。志のある人が教育現場に入り続ける環境を作らなければなりません。自民党の特命委員会では残業の問題を含め、さまざまな働き方改革を検討してきました。
給特法は、教員に残業代を出さない代わりに給料の4%を「教職調整額」として支給していますが、正規の勤務時間外の手当として考えれば、4%は過少で10%以上にすべきです。
ただ、私が教育現場の皆さんと接していると、必ずしも残業代が出ないから、学校教員の人気が下がっているわけではないと思っています。
「部活をやりたくて先生を目指す人も」
田原 部活動の指導が長時間労働の要因とも言われています。
萩生田 これも難しい問題で、部活の顧問をやりたくて先生を目指す人も結構いるんです。ただ、先生のライフサイクルも影響します。例えば、大学を卒業したばかりの先生で、家庭を持っていなければ、夜遅くまで子供と一緒に汗を流して満足感もある。けれども、結婚して子供が生まれると、自分の子育てに時間を割かねばならず、土日の練習や大会の引率がしにくくなります。
部活顧問の在り方は、状況に応じて変えなければならないのですが、学校現場の長年の積み重ねで、日ごろの練習も、練習試合も、大会の引率も全て教員がやらなくちゃいけないと思い込んでしまっている部分があります。その呪縛を解こうというのも、我々が目指す改革の一つです。部活動指導員の方にも入ってもらうなどし、教員に全ての負担がいかないような仕組みを作りたいです。
「先生へのリスペクトは希薄に」
田原 テレビの人気ドラマだった「3年B組金八先生」の主人公・坂本金八のように、教員は教え子に全てをささげるがごとく生きるのが素晴らしいとされてきました。
萩生田 大変すぎて無理ですよ(笑い)。昔は社会で学校の…
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