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季節性インフルエンザについて、厚生労働省は15日、2023~24年シーズンの第1週目(9月4~10日)の患者数を発表した。1医療機関当たり「4・48人」に上り、早くも流行開始の目安とされる1人を超えた。昨年の同じ時期では0・03人で今年の多さが際立っている。
22~23年シーズンの最終週(8月28日~9月3日)は、2・56人だった。昨年末からの流行が続いたまま、今シーズンが始まることになった。現在の集計方法となった1999年以降で初めての例という。
インフルの流行は、全国約5000カ所の特定の医療機関から報告される1週間分の患者数について、1医療機関当たりの患者数を算出し、傾向を把握する仕組みになっている。
例年は11~12月に流行が始まり、翌年の4月以降に収束する。このため、9月でシーズンを切り替える。
今シーズンの1週目を都道府県別に見ると、多い順に沖縄13・43人、長崎8・8人、千葉8・58人、福岡7・56人、宮城7・34人と続いた。
流行開始の目安の1人を下回ったのは、青森、岩手、秋田、山形、富山の5県のみだった。
こうした状況を受け、保育所や小中学校、高校などの閉鎖も目立っている。9月4~10日に休校や学年閉鎖、学級閉鎖となったのは793施設に上った。先週から7・4倍に増えていて、夏休み明けで感染が拡大している可能性がある。子どもの流行が高齢者ら大人に広がることが懸念される。
昨シーズンのインフルの流行は、新型コロナウイルス感染症の流行が20年に始まって以降、3年ぶりだった。今シーズンも流行が続いていることについて、新型コロナの5類移行に伴って感染対策が緩んだことや、一定期間インフルが流行しなかったために免疫が下がったことなど、流行しやすい状況が続いていると指摘する専門家もいる。
日本感染症学会は「ワクチン接種と、手洗いやマスク着用、せきエチケットを心がけて」と呼びかけている。【渡辺諒】