韓国検察、最大野党・李在明代表の逮捕状請求 市長時の背任容疑など

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韓国の最大野党「共に民主党」の李在明代表=2023年7月1日、坂口裕彦撮影 拡大
韓国の最大野党「共に民主党」の李在明代表=2023年7月1日、坂口裕彦撮影

 韓国の検察当局は18日、進歩系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対し、背任や外為法違反などの容疑で逮捕状を請求した。李氏は8月31日から尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の強権政治に抗議するとしてハンガーストライキを続けていたが体調が悪化。18日にソウル市内の病院に搬送された。

 聯合ニュースによると、京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市長だった2014年から17年にかけて、市の開発事業で民間業者に便宜を図り、都市開発公社に約200億ウォン(約22億円)の被害を与えた疑い。京畿道知事だった19~20年、自身の訪朝が実現した際の費用などの意図で北朝鮮への計800万ドル(約11億8000万円)の不正送金に関わった疑いも持たれている。

病院へ搬送される「共に民主党」の李在明代表=ソウルで18日、聯合・共同 拡大
病院へ搬送される「共に民主党」の李在明代表=ソウルで18日、聯合・共同

 李氏のハンガーストライキに関し、検察関係者は「刑事司法が、政治的な問題に変質してはならないという原則の下、逮捕状を請求した」と説明した。共に民主党は、尹大統領が検事総長出身であることを踏まえ「野党を弾圧するための検察による低劣な政治工作」と強く反発している。韓国では来春の総選挙をにらんで、尹氏を支える保守系の少数与党「国民の力」と、共に民主党との攻防が激しくなっている。

 一方、李氏は国会議員のため、会期中には国会の同意がない限り逮捕されない「不逮捕特権」がある。検察は今年2月にも李氏が城南市長だった当時の別の都市開発事業などを巡って、背任や収賄容疑などで李氏の逮捕状を請求。しかし、国会(定数300)で過半数を握る共に民主党が逮捕同意案を否決したため、3月に李氏を在宅起訴した経緯がある。

 李氏は、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を「日本は人類最悪の環境災難を選択した」と批判するなど「対日強硬派」としても知られる。その去就は、日韓関係に影響を与える可能性がある。【ソウル坂口裕彦】

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