いつまでも「くるりんぱ」 ツッコミで弔う=生野由佳(デジタル報道グループ)
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2022年5月に急逝したダチョウ倶楽部の上島竜兵さん(当時61歳)の映像がテレビで度々流れ、メンバーの肥後克広さんや、上島さんを慕う芸人仲間「竜兵会」がその死を話題にし、笑いに変えている。
「くるりんぱ」「絶対に押すなよ」などのギャグで人気を集めた上島さん。出演者の表情からは、笑顔の中に悲しみや悔しさなどさまざまな感情が入り交じっていることがうかがえる。
誰が決めたわけでもない。だが、そっと蓋(ふた)をされる「タブー」のようなものだと思っていただけに、芸人仲間らが思い出を語りながら、かつてと同じように「ツッコミ」を入れる姿が意外に感じられた。
上島さんの妻でタレントの広川ひかるさん(52)に話を聞くと、こう返ってきた。
「遺言のようなものなんです」
上島さんは生前、著名人が亡くなると作詞家の永六輔さんの名言である「人間は2度死ぬ。まず死んだ時。それから忘れられた時」を何度も口にしていたという。
リアクション芸人として活躍した上島さんの姿が世間の記憶から消えないように――。
そんな芸人仲間たちの姿に、ひかるさんは言う。「とてもありがたいことだと思っています。私も“忘れてほしくない”をカタチにしようとエッセーを書きました」
リアクション芸人の素顔
本名の上島光名義で8月に「竜ちゃんのばかやろう」(KADOKAWA)を出版した。結婚から28年間の日々を振り返り、お茶の間に見せていたのとは違う上島さんの素顔をつづる。
昔ながらの芸人をほうふつとさせる生活だった。
毎日のように飲み歩き、月の酒代は100万円以上。スケジュールは教えない。「今日の夕飯はいる、いらない」といった約束も守らない。
「亭主関白のザ・昭和の男でした。気分屋だし。でも、仕事だけに集中できるように支えることが私の役目だと思っていました」
インターネットで散見される「上島竜兵にはなぜ子どもがいないか」という疑問にも答えた。…
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