リュウグウ試料に多量ナトリウム 海や生命の起源解明につながるか
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った試料に、多量のナトリウムが含まれていたとの分析結果を、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの研究グループが18日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。ナトリウムは塩の主成分で、人体にも不可欠なミネラルの一種。地球の海や生命の起源解明につながる可能性のある成果という。
はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、20年12月、リュウグウの石や砂など計5・4グラムが入ったカプセルを地球に持ち帰った。試料からはこれまでに、水や有機物のほか、生命の材料となるアミノ酸や、遺伝物質の元となる核酸塩基などが見つかっている。
グループは、熱水で試料から抽出した成分を分析。その結果、多量のナトリウムのほか、カリウムやマグネシウムなどが豊富に含まれており、その組成は地球の海水とよく似ていることが分かったという。
ナトリウムは塩素と結合して塩(塩化ナトリウム)を作る。塩は水と鉱物が接触すると生まれることから、地球の生命を育んだしょっぱい海がどのようにできたかを解く鍵になると期待される。
グループの高野淑識JAMSTEC上席研究員は「初期太陽系の物質がどう進化したかをひもとく成果で、生命がどのように誕生したかを突き止める一歩になる」と話した。【田中韻】
小惑星リュウグウ
地球や火星の近くを進む直径約900メートルの小惑星。1999年に米国のチームが発見した。そろばんの玉のように中央が膨らんだ形で、岩に覆われている。太陽系が生まれた46億年前の物質を含んでいると考えられ、これまで国内外の研究チームによる分析で、水やアミノ酸、有機物などが確認されている。
時系列で見る
-
リュウグウ試料に多量ナトリウム 海や生命の起源解明につながるか
6日前 -
はやぶさ2の成果は リュウグウ試料が迫る太陽系や生命の起源
158日前 -
リュウグウの砂試料に遺伝物質成分 ビタミンの一種も検出
187日前 -
「小天体が地球に水や有機物運んだ可能性」 はやぶさ2試料成果
188日前 -
米サイエンス誌がリュウグウ試料分析を特集 はやぶさ2が表紙飾る
213日前 -
小惑星リュウグウのアミノ酸は左右同数 生命誕生「宇宙起源」言えず
213日前 -
小惑星リュウグウの表面、「宇宙風化」で脱水 京都大など発表
279日前 -
リュウグウ誕生は彗星付近 試料分析で判明 北海道大など
281日前 -
リュウグウ試料から炭酸水 液体の水は初めて 「豊富な水の証拠」
367日前 -
次に目指す高みとは…はやぶさ2が切り開いた宇宙開発の未来/下
428日前 -
3億km先で60cm…はやぶさ2が切り開いた宇宙開発の未来/上
429日前 -
「計画通り」にしない=永山悦子
447日前 -
はやぶさ2チーム解散 2031年に別の小惑星へ、新チーム移行
452日前 -
お楽しみはこれから=永山悦子
468日前 -
宇宙の神秘に思いはせ…「はやぶさ2」リュウグウ試料、愛媛で公開
471日前動画あり -
リュウグウ試料から「多量の水」 海の起源、謎解明の手がかりか
472日前 -
リュウグウ試料からアミノ酸発見 生命の起源の謎解く鍵に
475日前 -
「はやぶさ2」の帰還カプセル公開 25日まで展示 兵庫・明石
610日前 -
小惑星リュウグウの試料、46億年前の隕石に類似 JAXAなど発表
643日前