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ボクシング 55・7キロ契約8回戦(18日、東京・有明アリーナ)
○那須川天心(帝拳)―ルイス・グスマン●(メキシコ)
キックボクシング界で「神童」と呼ばれるほど名をはせた那須川天心がダブル世界戦の合間のセミファイナルに登場し、プロボクシングの2戦目で更なる進化を見せた。
いきなりフルスロットルで仕掛けた。一回にバンタム級のメキシコ国内王者からダウンを奪うと、その後も子供や女性の歓声が入り交じる中、素早い動きで最後まで試合を支配した。2度のダウンを奪い「成長している姿を皆さんに見せることができた」と喜んだ。
「前回から5カ月間、この日のためだけに生きてきたと言っても過言ではない」。4月のデビュー戦からの期間をこう形容するほど、内容の濃い準備に自信を見せていた。
3回戦や5回戦の試合が多いキックボクシングから転向し、ボクシング第2戦は8回戦。長いラウンドを戦い抜くためのスタミナをつけるべく、2回の走り込み合宿を行った。「あんなにきついことは今までなかった。ランナーになるのかと思うくらい走った」。8月には米国で合宿を行い、元世界王者らとスパーリングを重ねてハイレベルな実戦感覚を磨いた。
今回は当初の対戦相手が新型コロナウイルスへの感染でキャンセルになり、急きょグスマンに変わった。既に12戦をこなしている実力者だが、試合を前に「経験値は『関係ないっしょ』という感じ」と意に介さなかった。
5カ月前はスーパーバンタム級6回戦で、日本バンタム級2位(当時)の与那覇勇気をスピードで手玉に取って完勝した。ただ、ダウンを奪いながらも判定にもつれ込んだ。
試合前には「前回の那須川天心を想像していると『本当に損するよ』と思う。それを見てもらいたい」と語っていた。目指したKO決着はならなかったが、ボクシング界でも観客に驚きを届ける。【滝沢一誠】