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世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級タイトルマッチ(18日、東京・有明アリーナ)
○寺地拳四朗(BMB)―ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)●
「比類なき王者」へ、ここでつまずくわけにはいかない。ライトフライ級で世界主要4団体の王座統一を目指す寺地が「通過点」と位置づけた指名試合でブドラーを退け、2本のベルトを守った。
九回、ブドラーをロープ際に追い詰めた。クリンチで逃れようとする相手を押し切るように顔面にパンチの雨を浴びせ続け、レフェリーが試合を止めた。試合後は「九回の前に(セコンドから)『次、絶対に倒そう』と言われた。死に物狂いでスイッチを入れてもらった」と感謝した。
WBC王者だった2021年9月にプロ初黒星を喫したのを機に、足を使って距離を取るスタイルから、接近して打ち合う好戦的な戦い方も武器にしてきた。これで敗戦後は4試合連続KO勝ちだ。
4月の防衛戦後には、父である所属ジムの寺地永会長がこんな言葉を口にした。
「井上(尚弥)選手になかなか追いつけないなとずっと思っていたが、ここ1、2試合で少しは差が縮まったと実感した。僕としては超すところまで行ってほしい」
寺地が目指す4団体王座統一は昨年12月、井上尚弥(大橋)がバンタム級で日本選手として初めて達成した。寺地は高校3年だった09年の全国高校総体決勝で、当時1年の井上に敗れている。
リング上で「次は3団体目(を狙いに)、行きたいと思っています」と宣言した寺地。ボクシング界をけん引する井上の背中に近づくため、着実に歩みを進めていく覚悟だ。【高野裕士】