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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ウクライナが東欧3カ国をWTOに提訴 穀物輸入規制の延長で

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小麦を手にとって示すウクライナの農家。前線に近いため、ロシア軍の攻撃で貯蔵庫を破壊されたという=ウクライナ南部ザポロジエ州オリヒウ郊外で9月14日、ロイター 拡大
小麦を手にとって示すウクライナの農家。前線に近いため、ロシア軍の攻撃で貯蔵庫を破壊されたという=ウクライナ南部ザポロジエ州オリヒウ郊外で9月14日、ロイター

 ウクライナ政府は18日、ウクライナ産穀物の輸入規制を独自に延長したポーランド、スロバキア、ハンガリーの3カ国を世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。

 ウクライナ政府は声明で「3カ国によるこれまでの輸入規制で、ウクライナの輸出業者はすでに損害を受けている」と説明。「この提訴によってウクライナと近隣国の貿易が正常に戻り、結束が示されることにつながる」としている。

 ロシアによるウクライナ侵攻の影響でポーランド、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアの東欧5カ国は黒海に代わるウクライナ産穀物の主要な輸出ルートとなり、比較的安価な穀物の流入で自国農家が打撃を受けた。

 このため、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は5カ国による輸入規制を9月15日までの期限付きで認めた。欧州委員会は15日、ウクライナが輸出許可制度などの措置を30日以内に導入することを条件に、規制の撤廃を決めた。だが、ポーランド、スロバキア、ハンガリーの3カ国は各国独自に輸入規制を継続する方針を示し、ウクライナが反発していた。

 ウクライナと近隣3カ国の関係悪化が、欧州によるウクライナ支援の結束を乱すとの懸念が強まっている。スペインのプチャデス農相は18日、「欧州委員会の判断次第だが、EU加盟国による一方的なウクライナ産穀物の禁輸は違法とみられる」と述べた。フランスのフェノ農相も、欧州の結束に疑問を投げかける措置だとして3カ国を批判した。

 一方、ルーマニア政府は18日、今後、ウクライナ産穀物の輸入が増えた場合、輸入規制を30日間延長する案を検討していると述べた。ブルガリア議会は14日に輸入規制の撤廃を議決している。【ブリュッセル宮川裕章】

【ウクライナ侵攻】

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