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ラグビーW杯・フランス2023

2023年9月開催のラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会の特集ページです。

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見た目の変化はわずかでも ラグビー日本代表のジャージーは思い満載

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イングランド戦で国歌斉唱するラグビー日本代表の選手たち=ニースで2023年9月17日、AP 拡大
イングランド戦で国歌斉唱するラグビー日本代表の選手たち=ニースで2023年9月17日、AP

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会に臨む日本代表には、「ONE TEAM(ワンチーム)」の精神を体現する心強い「相棒」がいる。

 伝統の赤、白のボーダー柄が目をひく新ジャージーだ。一見すると前回モデルからの変化には「気付きにくい」が、そこには最新技術と1000を超えるファンの思いが詰まっていた。

ラグビー日本代表の新ジャージー=東京都千代田区で2023年6月23日午後3時24分、後藤奈緒撮影 拡大
ラグビー日本代表の新ジャージー=東京都千代田区で2023年6月23日午後3時24分、後藤奈緒撮影

 新ジャージーを製作したのは日本代表のオフィシャルパートナー「カンタベリー」。1997年から代表のジャージーを手がけてきて、今回が7代目のモデルとなる。新ジャージーのコンセプトは「Made To BE TOUGH」。こだわったのが選手たちがファンとのつながりを実感できる新たな試みだった。

 2022年7月、東京・国立競技場で開催されたフランス代表戦などでファンから不要になったウエアを回収。思いの詰まった1266枚を再生ポリエステル繊維にリサイクルし、新ジャージーの素材として活用した。開発責任者の石塚正行さんは「選手とファンが今まで以上にワンチームとなって戦うストーリーを描いた。衣類の廃棄という大きな問題に取り組む(持続可能な開発目標)姿も示したかった」と狙いを明かす。

 もちろん機能も進化している。開発に際して日本代表やリーグワンの選手84人のデータを測定。セットプレーでの選手同士の密着や相手と体をぶつける機会が多いFW用は耐久性とホールド感に優れた作りとする一方で、バックス用はより俊敏性や小回りが生きるように軽さを追求した。

前回大会でアイルランドを破って喜ぶラグビー日本代表の選手たち=静岡スタジアムで2019年9月28日、竹内紀臣撮影 拡大
前回大会でアイルランドを破って喜ぶラグビー日本代表の選手たち=静岡スタジアムで2019年9月28日、竹内紀臣撮影

 日本が初めて8強入りした前回19年日本大会のモデルから、耐久性はFW用が4倍、バックス用が3・6倍と大幅に強化。通気性はFW用が162%、バックス用が40%向上し、軽量化も実現した。

 ジャージーのデザイン自体は、好成績を残し、日本代表メンバーからも好評だった前回大会モデルの流れを踏襲。「かぶと」をモチーフにした赤、白のボーダーをベースに日本伝統の吉祥文様もあしらわれた。変わった部分としては、赤の横じまは3本から4本となり、首元は丸首となって襟の模様がデザインされた。

新ジャージーを着用するラグビー日本代表の選手たち=東京都千代田区で2023年6月23日午後3時47分、後藤奈緒撮影 拡大
新ジャージーを着用するラグビー日本代表の選手たち=東京都千代田区で2023年6月23日午後3時47分、後藤奈緒撮影

 日本代表は今年7月の実戦から新ジャージーを着用し、主将のFW姫野和樹選手(トヨタヴェルブリッツ)は「選手としてはこのジャージーを着て、ファンの思いを肌で感じられるのはすごく心強い。この歴史ある日本代表のジャージーを新たな高みに持っていくことが僕たちの責任」と気合十分。17日(日本時間18日)の第2戦でイングランド代表に敗れ1勝1敗となったが、未到の領域を見据える。【ニース角田直哉】

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