国会での議論の行方が注目される選択的夫婦別姓について、反対意見が根強い自民党に所属しながらもライフワークとして取り組んできたのが野田聖子元総務相(64)だ。「自民党は衆院選で議席を減らした反省の上に立ち、議論を進めるべきだ」と語る野田氏に、現状の見方を尋ねた。
【聞き手・遠藤修平】
自民「悪気なく、無関心」
――選択的夫婦別姓の導入の是非が注目されるようになった今の状況をどう見ていますか。
◆かつて似た光景がありました。選択的夫婦別姓の実現を掲げていた旧民主党が2009年に政権を取った時です。選挙で負けて悔しかったけど、実現するならよかったなと思っていたら見事に裏切られました。今回、私たちが少数与党の中で、野党が実現すると確約するなら、やるべきだと思っています。
ただ、一番の問題は自民党がサボタージュしてきたことです。法制審議会が1996年に実現を答申したにもかかわらず、議論をうやむやにしてきました。
――自民党が議論を見送ってきたのはなぜでしょうか。
◆一度だけ、いけるかなと感じた時期はありました。02年に党内で「例外的に夫婦の別姓を実現させる会」を作り、実力者の野中広務さんや古賀誠さんらが参加しました。別姓を名乗るには家庭裁判所の許可を必要とする「家裁許可制案」をまとめ、勢いがあったのですが、反対派に言われたのは「ふしだらだ」という理屈ではない言葉でした。
反対派の主張は、私からすると感情論による部分が大きく見えますが、支持団体からの反発や選挙妨害が現実的な理由でしょう。
自民党議員の9割が男性だということも要因です。結婚で姓を変えるのは女性が約95%。不利益を被ることがないから関心が薄い。票にもならないから、悪気なく無関心を貫いてきたのです。
「姓」で子育ては変わらない
――反対派からは「別姓夫婦の子どもの姓が不安定になり、かわいそうだ」との指摘もあります。
◆子どもの姓が親と…
この記事は有料記事です。
残り1098文字(全文1901文字)