兵庫県の斎藤元彦知事らが複数の疑惑を文書で告発された問題で、県が設置した第三者調査委員会(委員長、藤本久俊弁護士)は19日、調査報告書を公表した。斎藤氏が告発文などで指摘された10件の行為について、パワーハラスメントに該当すると結論付けた。
報告書によると、第三者委は告発文や県議会の調査特別委員会(百条委)などを通じてパワハラ疑惑が指摘された16件の行為について検討した。
斎藤氏は考古博物館(兵庫県播磨町)に公用車で出張した際、周辺に車止めがあったため、20メートルほど手前で降車して歩かされたことに腹を立て、出迎えた職員を激しく叱責したとされた。
第三者委は事実関係を認めたうえで、「指導の必要がない上に相当性を欠く方法で行われた」と指摘。当該職員の精神面に悪影響を与えたばかりでなく、伝え聞いた職員を萎縮させて勤務環境を悪化させたと評価した。
長期間にわたって夜間、休日のチャットによる叱責や指示が繰り返されてきたこともパワハラと判断された。
第三者委はパワハラが繰り返された背景について、知事と職員のコミュニケーションのギャップや不足があったほか、「知事を支える主要メンバーが同質的な集団となり、異論を受け入れない硬直的な姿勢が生じていた」と問題視した。
告発文は、元県西播磨県民局長の男性が2024年3月中旬、匿名で一部の報道機関や県議に配布。斎藤氏によるパワハラを含む七つの疑惑を訴える内容だった。
斎藤氏は直後に開かれた27日の定例記者会見で、告発者が元局長であると明らかにして解任した。元局長は5月に停職3カ月の懲戒処分に。百条委に証人として出廷予定だったが、7月に死亡が確認された。自殺とみられる。
第三者委は県弁護士会が推薦した裁判官出身の弁護士3人で構成。百条委と同様に七つの疑惑と、公益通報としての県の対応の妥当性について調査してきた。【中尾卓英】
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