
放送作家・たむらようこさんの「身近な体験をズルズル引きずりながら進む作り手の見聞」録。
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一筋の人生物語、探り当て
2022/4/27 13:12 933文字テレビは社会の窓である。今回は、私が構成を担当した番組が国際映像コンクールで入賞というお話――。 フジテレビで日曜午後2時から放送中の「ザ・ノンフィクション」。その中で、2021年10月17日に放送された「ボクと父ちゃんの記憶~家族の思い出 別れの時~」が、ニューヨークフェスティバル・ドキュメンタ
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DAIGOと一緒に献立を
2022/3/30 13:02 907文字テレビは社会の窓である。今回は、料理の新番組のお話――。 一般的に、新番組を立ち上げるのはワクワク楽しい作業です。でも入れ替わるように長年、愛されてきた料理番組が終わるのだとしたら? 私の背筋は一気に伸びました。2022年の春、新しく立ち上げるにふさわしい料理番組とはどんなものだろう……。 こうし
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移ろいゆく職人たちの世界
2022/3/2 12:53 918文字テレビは社会の窓である。今回は、画面の中で移ろいゆく時代のお話――。 その番組は「バカ、聞いてんのかお前ら」という叱咤(しった)の声から始まりました。令和というのに社長から部下へ、すがすがしいほどのお前よばわり。この会社の新人たちの働き方は、住み込みの丁稚(でっち)。一人前になるまでの5年間、酒も
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挑戦「プペル歌舞伎」大成功
2022/1/26 12:46 904文字テレビは社会の窓である。今回は、エンタメにおける新規顧客のお話――。 テレビの世界は今、若い視聴者を取り戻そうと努力しています。これはテレビに限った話ではないはずです。私の周囲では、ティーン雑誌の売り上げが“元ティーン”に支えられていたり、かつておしゃれ最先端だったスポットの顧客が“元最先端”の5
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「転ばぬ先の一冊」になれば
2021/12/22 12:42 909文字テレビは社会の窓である。今回は、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの「扱い方」のお話――。 今月、人生で初めてコミックエッセーを出しました。「がんで死にかけて12年、元気に働いてます」(日経BP)。38歳の時(1歳の息子を子育て中)にステージⅢbの子宮頸(けい)がんを患った時の治療の実際や、
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誰かのため汗かく姿描く人
2021/11/24 12:39 897文字テレビは社会の窓である。今回は、李闘士男監督のお話――。 闘士男(としお)さん。最初は絶対、活動名だと思っていましたが、漢字もそのまま本名でした。 話題作「デトロイト・メタル・シティ」「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」などを手がけた映画監督として有名ですが、元々はテレビ番組のヒットメー
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命を迎える幸せと責任
2021/10/20 12:42 912文字テレビは社会の窓である。今回は、保護犬・保護猫たちのお話――。 コロナ禍でペットを飼う人が増えました。一方でリモートワークが減少し、犬や猫を飼えなくなったと捨ててしまう人も後を絶ちません。小さな命を家族に迎える、それは「かわいい」だけでは済まない責任が伴いますよね。 では実際に犬や猫を家族に迎える
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他国に学ぶ日本の今
2021/9/22 12:43 881文字テレビは社会の窓である。今回は、世界における日本の順位のお話――。 みなさんも長引くコロナ禍で「あれ?」と思いませんでしたか? 他の先進国に比べてワクチンがなかなか回ってこなかったり、リーダーの言葉に説得力が感じられなかったり。それに比べ、台湾は政策にデジタルを上手に取り入れ、早くから国民にマスク
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CMに当事者の思いも込め
2021/8/25 12:54 866文字テレビは社会の窓である。今回は、現場母ちゃんのお話――。 「笑顔がきれいすぎて、なんかウソっぽいんですよね~」。とあるCMのプレビュー、発注企業の担当者が意見をくれました。え、きれいに撮れすぎてることがNG?? どういうことでしょう? これは、女性をターゲットとした商品のCMをプレビューしていた時
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新たなテレビのあり方を体験
2021/7/28 13:07 894文字テレビは社会の窓である。今回はオリンピックとNHKのお話――。 「NHKは“公共メディア”。テレビ局じゃなくて“公共メディア”なんです」。NHKへ仕事に行くと、NHKの人からそう聞かされることが何度かありました。数年前からでしょうか。たしかに「NHK for School」のように、教育番組をまと
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性教育番組で時代に挑む
2021/6/30 12:37 872文字テレビは社会の窓である。今回は性教育番組のお話――。 先週のこと。福岡のテレビ局RKB毎日放送で「今夜は、おしものハナシさせてください~私たちが伝えたいこと」というバラエティー番組が放送されました。私が知ったのは公式オンラインページから。全編無料で1カ月間公開されているのでタイトルにひかれてクリッ
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「若年層向け」に見切り発車
2021/6/2 12:11 913文字テレビは社会の窓である。今回は番組の評価指標のお話――。 私ごとで恐縮ですが、小さな手術を受けるため2週間ほど入院していました。同じ病室には、70代後半から90歳くらいの3人の女性。お一方は10分に1度「看護婦さーん」と、大きな声で看護師さんを呼びます。最初、私は彼女が、ナースコールをご存じないの
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変革への思い 局の壁越えて
2021/4/28 12:17 875文字テレビは社会の窓である。今回は女性アナウンサーたちの新しい動きのお話――。 正直に言います。私はほんの数年前まで、いわゆる“女子アナ”に対してモヤモヤした気持ちを抱いていました。 そろいもそろって美しくて聡明(そうめい)、なのに男性司会者の隣で一歩下がって張り付いたような笑顔。バラエティー番組など
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ルールを学びもっと自由に
2021/3/31 12:38 906文字テレビは社会の窓である。今回は、悪意なき差別表現のお話――。 春の改編で朝の情報番組が大きく変わります。日本テレビ「スッキリ」はMC加藤浩次さんを残して主要メンバーを入れ替えてのリニューアル。フジテレビは「とくダネ!」が終了して谷原章介さん司会の「めざまし8」が発進。TBSは「グッとラック!」が終
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改編でも貫く赤ちゃん本位
2021/3/3 12:45 903文字テレビは社会の窓である。今回は、赤ちゃん番組のお話――。 今春の改編でNHKEテレ「おかあさんといっしょ」の開始が15分早くなります。時代により変化してきましたが、2010年からは午前8時開始に。多くの子育て家庭にとって、時計代わりのように、生活に組み込まれていたはずです。 それが3月29日から、
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過程が素材 新たな番組作り
2021/2/3 12:17 910文字テレビは社会の窓である。今回は、YouTube(ユーチューブ)との相互乗り入れのお話――。 テレビタレントがユーチューブに、また逆にユーチューバーがテレビに進出するようになって2年ほどたちます。テレビ番組のディレクターや放送作家も、ユーチューブ動画の裏方として活動する人が増えました。実際、私たちの
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社会を変える小さな違和感
2021/1/6 12:18 893文字テレビは社会の窓である。今回は、慎吾ママと慎吾母のお話――。 みなさん、ファミリーマートの総菜シリーズ「お母さん食堂」をご存じでしょうか? タレントの香取慎吾さんが、かっぽう着とカツラをつけたお母さんの装いで「慎吾母」としてキャラクターを務めています。 そんな「お母さん食堂」のネーミングを変えてほ
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視聴者の「楽しい」に応える
2020/12/2 11:46 914文字テレビは社会の窓である。今回は、番組とビジネスのお話――。 私の仕事は放送作家です。去年までは純粋にテレビ番組の原稿を書く仕事がほとんどでした。ここ数年、AbemaTVをはじめネット番組の台本を書くことも増えましたが、それでも「番組の台本を書く」のが主な仕事だったと言えます。 ところが新型コロナウ
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諦めず動かす思いやりの手
2020/11/4 12:29 937文字テレビは社会の窓である。今回は「コロナと中華街」のお話――。 「開けても地獄だし、閉めても地獄」。今秋、取材させてもらった横浜中華街の広東料理店「龍鳳酒家」の若おかみが吐露してくれた本音です。今回、番組を担当するまで新型コロナウイルスで横浜中華街がここまで打撃を受けていることに気づいていませんでし
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より良い未来 フェアな視点で
2020/10/7 12:11 910文字テレビは社会の窓である。今回は、女性管理職とクオータ制のお話――。 9月21日、TBS系の情報番組「グッとラック!」では、菅新内閣に女性が2人しか入閣していないことについて特集が組まれていました。スタジオでは「(政治家や企業幹部に一定の割合の女性の起用を義務付ける)クオータ制に賛成?反対?」という
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