
連載
放送作家たむらようこの窓辺から
放送作家・たむらようこさんの「身近な体験をズルズル引きずりながら進む作り手の見聞」録。
-
#88
ルールを学びもっと自由に
3/31 12:38 906文字テレビは社会の窓である。今回は、悪意なき差別表現のお話――。 春の改編で朝の情報番組が大きく変わります。日本テレビ「スッキリ」はMC加藤浩次さんを残して主要メンバーを入れ替えてのリニューアル。フジテレビは「とくダネ!」が終了して谷原章介さん司会の「めざまし8」が発進。TBSは「グッとラック!」が終
-
#87
改編でも貫く赤ちゃん本位
3/3 12:45 903文字テレビは社会の窓である。今回は、赤ちゃん番組のお話――。 今春の改編でNHKEテレ「おかあさんといっしょ」の開始が15分早くなります。時代により変化してきましたが、2010年からは午前8時開始に。多くの子育て家庭にとって、時計代わりのように、生活に組み込まれていたはずです。 それが3月29日から、
-
#86
過程が素材 新たな番組作り
2/3 12:17 910文字テレビは社会の窓である。今回は、YouTube(ユーチューブ)との相互乗り入れのお話――。 テレビタレントがユーチューブに、また逆にユーチューバーがテレビに進出するようになって2年ほどたちます。テレビ番組のディレクターや放送作家も、ユーチューブ動画の裏方として活動する人が増えました。実際、私たちの
-
#85
社会を変える小さな違和感
1/6 12:18 893文字テレビは社会の窓である。今回は、慎吾ママと慎吾母のお話――。 みなさん、ファミリーマートの総菜シリーズ「お母さん食堂」をご存じでしょうか? タレントの香取慎吾さんが、かっぽう着とカツラをつけたお母さんの装いで「慎吾母」としてキャラクターを務めています。 そんな「お母さん食堂」のネーミングを変えてほ
-
#84
視聴者の「楽しい」に応える
12/2 11:46 914文字テレビは社会の窓である。今回は、番組とビジネスのお話――。 私の仕事は放送作家です。去年までは純粋にテレビ番組の原稿を書く仕事がほとんどでした。ここ数年、AbemaTVをはじめネット番組の台本を書くことも増えましたが、それでも「番組の台本を書く」のが主な仕事だったと言えます。 ところが新型コロナウ
-
-
#83
諦めず動かす思いやりの手
11/4 12:29 937文字テレビは社会の窓である。今回は「コロナと中華街」のお話――。 「開けても地獄だし、閉めても地獄」。今秋、取材させてもらった横浜中華街の広東料理店「龍鳳酒家」の若おかみが吐露してくれた本音です。今回、番組を担当するまで新型コロナウイルスで横浜中華街がここまで打撃を受けていることに気づいていませんでし
-
#82
より良い未来 フェアな視点で
10/7 12:11 910文字テレビは社会の窓である。今回は、女性管理職とクオータ制のお話――。 9月21日、TBS系の情報番組「グッとラック!」では、菅新内閣に女性が2人しか入閣していないことについて特集が組まれていました。スタジオでは「(政治家や企業幹部に一定の割合の女性の起用を義務付ける)クオータ制に賛成?反対?」という
-
#81
受け継ぐべき現場の知恵
9/9 12:01 866文字テレビは社会の窓である。今回はコロナ下で撮影された、怖いドラマのお話――。 未知のウイルスが世界に蔓延(まんえん)した影響でしょうか。この夏は、「怖い話」系の番組が多かった印象があります。そんな中、11日にNHKBSプレミアムで「こわでん」(午後9時59分)という特番が放送されます。怖い伝説をドラ
-
#80
猛暑にヒンヤリ 夢の計画
8/12 12:18 852文字テレビは社会の窓である。今回は真夏の都心に現れた流氷のお話――。 7日。東京は最高気温が35度を超える猛暑日でしたが、JR高輪ゲートウェイ駅前の特設会場は周囲より気温が5・1度低く、涼しい夏の夜のようでした。なぜならその場所で、流氷を使った実証実験が行われていたから。「COOLITDOWN」。冬に
-
#79
世代にとらわれず物申す
7/15 12:44 846文字テレビは社会の窓である。今回は世代のお話――。 この春から、各局のテレビ視聴率の評価方法が変わりました。未来の視聴者を育てたいという意図から、若い世代の視聴が多いほど評価が高いというルールになったのです。それに伴い“若者に人気”とされるタレントが画面に多く登場する流れに。筆頭は、お笑いコンビ「EX
-
-
#78
月経への理解 動画コンテンツで
6/17 11:58 828文字テレビは社会の窓である。今回は月経コンテンツのお話――。 女性の月経、生理について、皆さんはどのくらいご存じですか? 同じ女性でも生理の期間や重さ(生理に伴う腹痛などの症状)には大きな個人差があり、この捉えづらさがさまざまな問題を生んでいます。 例えば生理休暇の取得は怠けであるとの誤解、生理が軽い
-
#77
台本はあくまでも「土台」
5/20 12:00 846文字テレビは社会の窓である。今回は台本のお話――。 「テレビは結論ありきで台本通りに作られる」「台本通りのコメントしか採用されない」。最近、こんな批判をさまざまなメディアで見ました。発端は、テレビ朝日の情報番組「グッド!モーニング」で、新型コロナウイルスのPCR検査を巡り、VTR出演した医師の問題提起
-
#76
コロナ禍で変わる業界地図
4/8 12:16 842文字テレビは社会の窓である。今回は新型コロナウイルスとテレビ業界のお話――。 長引くコロナ禍。新規の番組収録中止を宣言するテレビ局が相次いでいます。1カ月前、3月11日付のこのコラムに、私は「コロナ問題が収束するまで、テレビは報道以外は再放送でもよいのでは」との意見を書きました。「再放送でも業界が回り
-
#75
「枠があるから」の見直しを
3/11 12:30 847文字テレビは社会の窓である。今回は制作現場と新型コロナウイルスのお話――。 各所に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出ている昨今。周囲の方から「テレビの仕事も減っているでしょう?」とご心配いただきます。結論から言うと制作現場の仕事は減っていません。ただ、実は別の大きな悩みを抱えています。「取材先がな
-
#74
受験の真実はドラマの中に
2/12 11:38 840文字テレビは社会の窓である。今回はテレビマンと受験のお話――。 今年7月期に日本テレビ系の土曜ドラマ枠で放送される作品は、柳楽優弥さん主演の「二月の勝者」です。テーマは中学受験。原作は「子供を合格に導くのは、父親の経済力と母親の狂気」などのセリフで知られる漫画です。時代が大きく変わろうとする今、受験を
-
-
#73
「本物」を人気の新定番に
1/15 12:18 853文字テレビは社会の窓である。今回は「テレビ的」のお話――。 みなさんは、清水章弘さんをご存じですか? TBS系「教えてもらう前と後」(火曜午後8時、MBS制作)に出演している教育の専門家です。清水さんを番組に紹介したのは私でした。きっかけは、たまたま手にした清水さんの著書の前書き。「勉強のやり方を知ら
-
#72
「気分」を捉え笑いに昇華
12/11 12:03 841文字テレビは社会の窓である。今回は「バラエティー」のお話――。 先日、12月21日放送予定の「週刊フジテレビ批評」(土曜午前5時半)の収録に話し手として参加しました。放送作家の先輩、伊藤正宏さんと樋口卓治さんの3人で、2019年に終わったバラエティー番組の一覧を見ながら「生き残るバラエティーの条件」と
-
#71
熱い議論で前代未聞の新企画
11/13 12:51 857文字テレビは社会の窓である。今回は異業種で集まって番組を企画してみたお話――。 今月のある日、夜景が美しい東京・六本木ヒルズの49階で、謎のテレビ番組企画会議が行われました。メンバーは、NEC勤務の方、大学の准教授、ネイリスト、金融関係者、博報堂のクリエーター、テレビの女性編集マンなど、十数人の多彩な
-
#70
「見たくなる広告」と「見せる広告」
10/16 14:12 848文字テレビは社会の窓である。今回はテレビ広告とネット広告のお話――。 最近、ある企業の15秒CMを制作しました。同じ15秒CMをテレビとYouTube広告に流します。これまでテレビ番組も、ネット配信のコンテンツも、たくさん作ってきた私は両方のことをだいたい理解している「つもり」でした。しかし、いざ同じ
-
#69
過剰演出は“親切な病”
9/18 12:44 855文字テレビは社会の窓である。今回は過剰演出のお話――。 TBSの二つの人気番組で過剰演出が発覚し、調査が続いています。「消えた天才」は少年野球のピッチャーが投げた球を、実際より2割ほど速く見えるよう加工。「クレイジージャーニー」では、海外で珍しい生物を捕獲するロケにおいて、事前に用意していた生物をあた
-