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踏み跡にたたずんで

芥川賞作家、小野正嗣さんの小説「踏み跡にたたずんで」がスタート。月1回、原則として第4土曜日に掲載します。

  • 希望の鉢植え=小野正嗣

     誰が持ってきたものかはわからないのですが、そこにあったのです、と集落の住人のひとりが困惑を隠しきれずに言ったという。 いまさらこんなものを持ってこられても困る…

    (2019年03月07日 16:08)

  • 沿道で待ちながら=小野正嗣

     沿道に背中の少し曲がった老婆(ろうば)がひとり立っていた。手には小さな旗が握られていた。どこかの国の旗のように見えた。だとしたら知らない国だ。 老婆は何かを待…

    (2019年02月07日 16:57)

  • 冬の海=小野正嗣

     海のすぐそばに、海岸線に沿うようにしてコンクリートの壁があれば、たとえさほど高いものでなくとも、それは防潮堤とか防波堤と呼ばれるものだろう。 それ、それ、と言…

    (2019年01月10日 17:24)

  • 作品はどこに?=小野正嗣

     公園のどこにもそれらしきものはなかった。 「それ」というのは、アート作品である。しかし、具体的にどんなものなのか、西浦氏はまったく教えてくれなかった。 「さん…

    (2018年12月06日 16:58)

  • ロビーで待つ=小野正嗣

     正直なことを言うと、あまり気乗りしなかった。 断ることもできた。しかし、「お目にかかるのを楽しみにしています」と返事をした。 それでいまホテルのロビーで彼を待…

    (2018年11月08日 15:40)

  • バス停にて=小野正嗣

     バスを待っていたら、いや、本当にここはバス停なのか、バス停だとしてもまだ使われているのかどうか、錆(さ)びついた表示板を確かめていたら、向こうからバスではなく…

    (2018年10月04日 16:06)

  • ビニールハウスで雨宿り=小野正嗣

     空が割れて、そこから落ちてきた。 そう聞こえた。 誰が、と訊(き)き返したかったが、誰に問えばよいのか困った。 見る見るうちに空が暗くなり、雷鳴が遠くで響いて…

    (2018年09月06日 15:53)

  • 林を抜けて海へ=小野正嗣

     途中で振り返ってはいけない。 ただまっすぐ。迷いなく。 そのとおりに進んだ。 すると、こんもりと木々が現われた。立ち並ぶ黒い幹の向こうに、まばゆい光が広がって…

    (2018年08月02日 18:37)

  • 洞と年寄りたち=小野正嗣

     人だかりができていたので、思わず足を止めた。 どうしたんですか? いちばん近くの男性に、そう尋ねた。 どうしたんですか? 返事はなかった。色あせた野球帽の下か…

    (2018年07月05日 16:16)

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