メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ことばの五感

  • 伏流する時間=川野里子

     東日本大震災の起こった春以来、福島の姑(しゅうとめ)は庭仕事を諦めざるを得なくなった。原発事故によって見えないものが見慣れた庭を覆い、何かがすっかり変わった。…

  • 逆さ地図の世界観=川野里子

     いく度も着陸すれど着地せぬ心のために大地あるべし 香川ヒサ      * 世界地図を色んな方向から眺めてみると面白い。オーストラリアの土産物にもなっている逆さ…

  • 「この子」の切なさ=川野里子

     ロボット掃除機に興味を持っている。友人は「この子」などと黒く丸い掃除機を紹介する。ロボット掃除機はよく働くが、時々、充電ポートまで帰れず行き倒れていたりするら…

  • 「愛」とは何か=川野里子

     その男の子は、道端の側溝に座り込み泣いていた。どうしてこんな所に一人で?と思う。迷子とは思えない汚れ方で、かなりの間そこに居るようだった。そこからかなり離れた…

  • 水と空気の問い=川野里子

     台風が去った朝、これが本当に水と空気の仕業か、と驚く。瓦が飛び、塀が倒れ、公園の樹木がことごとく折れている。猛烈な雨と風、つまり液体と気体に襲われたのだ。 私…

  • 乳房という灯=川野里子

     草原に火を芯として建つ包(パオ)のひとつひとつが乳房のかたち 大森静佳 友人が乳癌の手術をしてから二十年が経った。生きのびてくれたことが嬉しい。 温存手術はま…

  • 不安で出来た世界=川野里子

     原不安(げんふあん)と謂(い)ふはなになる 赤色(せきしよく)の葡萄液充つるタンクのたぐひか 葛原妙子      * 天井から水が滴ってきた。ついに。二階にあ…

  • 国境を越える心=川野里子

     つねにしてこころのおくにひそむこゑ「はやくかへらう どこへかへらう」 村木道彦      * Iさんのことを思い出す。母の親友だったIさんは大連で生まれ少女時…

  • 出汁引く女たちへ=川野里子

     「ようございましょ」、と出汁を一口啜(すす)ったNおばあちゃんが威儀を正して言う。久々に聞いたその言葉が染み込むように懐かしかった。 父母が亡くなり空き家にな…

  • 青人草と草の名前=川野里子

     新緑が眩(まぶ)しい。 以前、ある短歌大会の題に「草」を出したところ例年の二倍もの作品が集まり驚いた。大半が草毟(くさむし)りを詠(うた)った作品であった。毟…

連載

広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 佐々木国交政務官「国のせいにしないで」 新型コロナ拡大巡るツイートに批判の声

  2. 「ポケモンを埋葬」仏記者、中国哀悼行事の放送中に発言 1週間の停職処分に

  3. 医療従事者153人の感染判明 院内感染も発生 医療崩壊の懸念 新型コロナ

  4. 児童手当受給世帯、子供1人につき1万円支給へ 政府コロナ緊急経済対策

  5. 緊急事態宣言「非常に切迫」 西村経済再生相、東京の118人感染判明受け

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです