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短歌月評

  • ぼくと俺のあいだ=加藤英彦

    ・逆立ちしておまへがおれを眺めてた たつた一度きりのあの夏のこと 河野裕子 一九七二年、第一歌集『森のやうに獣のやうに』はこの一首で始まる。初読の印象は逆光の校…

  • 岡井隆という問い=加藤英彦

     七月十日、岡井隆が他界した。享年九十二。かつて前衛短歌の旗手として塚本邦雄や寺山修司らと現代短歌を牽引(けんいん)し、伝統的な写実主義と激しく火花を散らした。…

  • 時代と向き合う力=加藤英彦

     総合誌「短歌」六月号に第54回迢空賞が発表された。受賞は三枝昻之の第十三歌集『遅速あり』である。三枝は塚本邦雄、岡井隆らが担った前衛短歌運動の後継世代で、永田…

  • 生きる一途さへ=加藤英彦

     今年の前川佐美雄賞は藤島秀憲の第三歌集『ミステリー』に、ながらみ書房出版賞は田中薫第一歌集『土星蝕』に決定した。藤島の作品は四月の本欄でも少し紹介したが、あた…

  • 問いの無限と鏡=加藤英彦

     寺山修司は二匹の亀を飼っていて一匹の名は質問、もう一匹は答といった。友人に答より質問のほうが大きいのはなぜかと聞かれて、質問は答をかくまっているから大きく見え…

  • 敗北と復活の詩歌=加藤英彦

     日本現代詩歌文学館では、三月から常設展「われ、敗れたり―敗北と失敗、あるいは挫折と復活の詩歌」を開催している。展示室には詩人、歌人、俳人たち約五十名の作品が並…

  • 電信柱のある町=加藤英彦

    ・生きていてわかったことは人間は電信柱に激突もする 佐佐木定綱 私の知る愛書家の彼女は歩きながら本を読んで幾度か電信柱に激突した。酔って足どりの覚束(おぼつか)…

  • 名づけ得ぬものへ=加藤英彦

     私たちの周りは簡単にことばには変換できないものに満ちている。流しの奥の小さな闇や座っていた木椅子の温(ぬく)もりや、食べ残した野菜くずや朝の水たまりや、それら…

  • 時代をうたう意志=加藤英彦

    ・顎(あぎと)まで沈みて雨の音を聴くいくつになっても秋はさびしい 季節が心に落とす影は歳月を重ねるほどに陰翳(いんえい)を濃くしたろう。二十歳の秋は恋の憂いであ…

  • ふたつの賞の創設=加藤英彦

     来年、短歌研究社が塚本邦雄賞を創設するという。第二歌集以降を対象とした賞で、第一回目の選考委員は坂井修一、水原紫苑、穂村弘と小説家の北村薫である。塚本の嫡子で…

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