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ウラン鉱石、米国に輸出へ 半世紀前の計画頓挫で残された後始末
2022/8/18 16:00スクープ 3459文字国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」が国内2カ所で手がけたウラン探鉱事業に絡み、国内外から集めたウラン鉱石など核関連物質計120トン超を海外に輸出する計画を立てていることが毎日新聞の取材で判明した。ウラン鉱石を原発の核燃料にするための「製錬」を委託する形を取るが、製錬後はそのまま業者に買い取
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処理水保管「問題の先送り」 工事了解、立地自治体が刺したくぎ
2022/8/2 21:53深掘り 2819文字東京電力福島第1原発でたまり続ける処理水を巡り、福島県と大熊町、双葉町は、海洋放出の前提となる海底トンネルなどの設備工事に了解する意向を表明した。内堀雅雄知事らが2日、放出に必要な工事の開始について了解し、東電側に伝えた。地元自治体はなぜ了解に踏み切ったのか。 ◇漁業者との約束 続く議論 「重く受
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コロナ流行で都心の気温低下 外出自粛は東京の環境どう変えた?
2022/7/20 13:00 2491文字新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出自粛は、緑化対策並みの気温低下につながった――。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などが外出自粛と都市環境の関係を検証している。テレワークの推進は猛暑対策などにも一役買うことができるのだろうか。 ◇0.2度下がったエリアも 検証を進めているのは、産総研環境動
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「決断」にネットで賛否 実際は予定通り? 首相の原発9基稼働指示
2022/7/15 21:41深掘り 1762文字岸田文雄首相が14日の記者会見で、冬の電力需給逼迫(ひっぱく)対策として、原発を最大9基稼働させ、国内の電力消費量の約1割相当を確保するよう萩生田光一経済産業相に指示したと発言した。ネット上では、再稼働賛成派から「英断」「覚醒」などの称賛の声が、反対派からは「断固反対」と批判の声が上がった。しかし
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レモン、ラベンダー… においを再現する不思議な装置とは
2022/7/5 11:00 1820文字「どんなにおい?」と聞かれて、説明に困ったことはないだろうか。においの再現は難しいとされてきたが、東京工業大の中本高道教授(ヒューマンインターフェース)らのチームが、それを可能にする不思議な装置を開発している。どんな仕組みなのだろう。 ◇合成したにおい「区別できず」 記者は5月末、横浜市にある中本
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「国の怠慢さ判断せず」 過失問う壁高く 原発避難者訴訟
2022/6/17 21:01深掘り 2954文字東京電力福島第1原発事故に対する国の賠償責任を否定した17日の最高裁判決は、1、2審とは異なる論理で結論を導き、国の過失を問うハードルの高さを改めて示した。未曽有の大津波による事故で国は原子力規制の在り方を見直したが、避難を続ける人たちへの賠償は十分と言えるのかという課題は残る。 ◇「司法がこんな
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「寝たきり」でもドローン操縦を 障害者と企業が目指す社会
2022/6/14 12:00動画あり 2643文字寝たきりでもドローン(小型無人機)を飛ばして社会貢献ができる――。そんな社会の実現を目指し、障害者や東京都の福祉機器製造・販売会社などがプロジェクトを進めている。ドローンを操縦するのは、難病の筋ジストロフィーでほとんど手足を動かせない男性。システムの開発者も脳性まひのため車椅子生活を送る男性だ。障
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安全性の立証責任果たされず 泊原発差し止め判決、北電を批判
2022/5/31 21:45深掘り 2105文字北海道電力泊原発1~3号機(北海道泊村)の運転差し止めを命じた31日の札幌地裁判決は、安全性の立証に消極的で、説明責任を果たさない北電の姿勢を厳しく批判した。 「北電の主張立証が尽くされる時期の見通しが全く立っていない。原告に、北電の立証に延々と対応することを余儀なくしている」。判決で谷口哲也裁判
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柏崎刈羽原発 見通せぬ再稼働への道筋 テロ対策、改善道半ば
2022/4/27 22:14深掘り 2711文字東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いで発覚した問題で、原子力規制委員会は27日、東電自身による改善策の実効性や問題の背景に関する検査の中間報告をまとめた。報告は、東電の改善策に対して、複数の侵入検知器の機能が同時期に失われたことの原因分析が不足している点などについて東電による再検
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ロシア兵が大量被ばく報道 チェルノブイリ原発で何があったのか
2022/4/2 18:00 2076文字ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ北部のチェルノブイリ原発を占拠していた多くのロシア兵が被ばくしたと海外メディアが報じた。ロシア軍は2月24日から占拠していた。史上最悪の原子力事故から36年もたったチェルノブイリ原発で、いったい何が起きていたのか。【吉田卓矢】 ウクライナの国営原子力企業「エ
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福島第1原発、廃炉なのに建設ラッシュ 7年半ぶりの現地の変貌
2022/3/28 10:02 0文字 -
福島第1原発、廃炉なのに建設ラッシュ 7年半ぶりの現地の変貌
2022/3/28 08:00 1850文字東京電力福島第1原発は、東日本大震災に伴う事故から11年経過した今も、敷地内でさまざまな施設が建設され、次々と完成している。記者は先月、7年半ぶりに現地取材の機会を得た。廃炉に向かっているのに、なぜ建設ラッシュが続いているのか。現状を報告する。 取材に訪れたのは2月26日。前回は放射線量が高く、バ
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デブリ取り出しを阻む粉じん 廃炉作業で想定外の事態も
2022/3/5 09:00深掘り 2023文字東京電力福島第1原発の2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を取り出す作業では、原子炉格納容器内の放射性物質を確実に封じ込め、周辺の環境に影響を及ぼさないことが大前提だ。事前の準備作業は昨秋に始まったが、想定外の事態も起きている。(第2回/全2回)【吉田卓矢、岡田英/科学環境部】 ◇ロボットアーム
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原発が戦場 史上初、稼働中に攻撃 世界激震 「安全の根本揺らぐ」
2022/3/4 21:37深掘り 3097文字ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで、今度は原発を舞台にした交戦という前代未聞の出来事があった。一体何が起きているのか。 ◇明確な国際法違反、常軌を逸した攻撃 暗闇の中を激しい閃光(せんこう)が飛び交い、煙が立ち上ったーー。攻撃を受けたウクライナ南東部のザポロジエ原発。敷地内の監視カメラが捉えた
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ピンポン球でロボットのコツを… 作業員が語るデブリ取り出し
2022/3/4 09:00動画あり 2041文字東京電力福島第1原発では、終わりの見えない廃炉作業が続く。年末には、2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を初めて取り出す作業が予定され、廃炉に向けた大きな試金石になる。最初は、スプーン1杯程度の燃料デブリをロボットで試験的に取り出すだけだが、何がそんなに難しいのか。東電の操作員が、毎日新聞の取材
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着々と準備が進む原発処理水の海洋放出 実現に向けたハードルは
2022/2/27 09:00深掘り動画あり 1369文字廃炉作業が進む東京電力福島第1原発の原子炉建屋では今もなお、高濃度の放射性物質を含む汚染水が1日約150立方メートル(ドラム缶750本相当)のペースで増えている。東電は、汚染水の放射性物質の濃度を国の基準未満に下げた「処理水」を、海水で薄めるなどしてから海に流す。放出後の風評被害をいかに抑えられる
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米高速炉に協力 破れた「もんじゅ」の夢託す日本 実用化に高い壁
2022/1/27 05:00深掘り 3248文字米国の企業による次世代の原発「高速炉」の開発計画に、文部科学省が所管する日本原子力研究開発機構や三菱重工業などが技術的に協力することになった。原子力機構など4者は26日、協力に向けた覚書を交わした。米国で2028年の運転開始を目指すが、日本やフランスでは開発が行き詰まっており、実用化は不透明だ。
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コロナ禍を地震計のデータから見てみると… 浮かび上がる人の動き
2022/1/19 08:00 1810文字新型コロナウイルスの感染が広がって約2年になるが、いまだ収束する気配はない。この間、外出自粛や飲食店への営業自粛要請など、人の流れは大きく変わった。実は、こうした変化は、地震計でも観測されたという。どんなことが見えたのだろうか。 地震大国・日本では、気象庁や防災科学技術研究所(防災科研)などが、全
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地震でエレベーターに閉じ込められたら… 住民参加の救出訓練とは
2021/12/9 12:01 1894文字都市部を中心に大地震が起きた時、想定しなければならない被害の一つが、揺れの影響で止まったエレベーター内に閉じ込められることだ。マンションなどでは、住民参加の救出訓練がされていないと言われている。そんな中、訓練の予定があると聞き、現場を訪れた。【吉田卓矢/科学環境部】 11月、都心から電車で40分ほ
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地震対策で盲点の「エレベーター内閉じ込め」 遭遇時の対処法とは
2021/12/9 12:00 2345文字10月、東京23区で10年半ぶりに震度5強の地震があり、過去の震災の記憶がよみがえった人も多いだろう。首都直下地震や南海トラフ地震で懸念されながらも、利用者による対策は進んでおらず盲点になっているのが、エレベーター内に閉じ込められる問題だ。閉じ込めに遭遇したら、どうすべきなのか。【吉田卓矢/科学環
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