
安倍首相主催の「桜を見る会」に首相の後援会関係者が多数招待され、「公費の私物化」と批判されています。
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首相が主催して毎春、東京・新宿御苑で開いている「桜を見る会」をめぐる運営実態の不透明さに、「安倍晋三首相による会の私物化が極まった」と批判が集まっている。2019年11月に国会で指摘されて以降、なお疑問は解消されていない。
ことば:桜を見る会
首相主催で、東京にある桜の名所「新宿御苑」で毎年開かれる行事。1952年に始まり、費用は公金で賄う。たる酒や軽食、菓子が振る舞われ、出席者は首相らと歓談したり、記念撮影をしたりすることができる。会の膨張「税金で後援会活動」

桜を見る会は、2012年の第2次安倍政権発足後、支出や招待者数が急増した。支出額は19年度は5518万円で14年度と比べて2倍近く増え、出席者数は19年度は約1万8200人で、14年度の約1・3倍になった。野党は、首相や自民党議員の後援会関係者が増えたとみており「税金を使った後援会活動だ」と批判している。
招待者について首相らの「推薦枠」があることも判明。首相には約1000人の枠があり、政府が「公人ではなく私人」としている妻昭恵氏からの推薦分も含まれている。首相は当初「招待者のとりまとめには関与していない」と国会で答弁したが、その後、招待者の推薦については「意見を言うこともあった」と説明を修正した。
前夜祭で費用負担「寄付行為」

首相後援会が開く「前夜祭」は、首相が政権に返り咲いた翌年の13年から毎年、会の前日に東京都内のホテルで夕食会が開かれ、地元の支援者らが招かれているものだ。19年はホテルニューオータニで、約800人が参加し、会費は5000円だった。このホテルがホームページで紹介する立食の「パーティープラン」は1人1万1000円からで、会費は相場より安い。野党は「不足分を首相側が負担していたら、選挙区内の有権者に対する寄付行為を禁じた公職選挙法に触れる」と疑問視した。首相は「(価格は)ホテル側が設定し、価格分以上のサービスは提供されていない」として問題ないとの認識を示していた。
また、後援会は14年以降、政治資金収支報告書に前夜祭の収支の記載をしていなかった。政治資金規正法は、政治団体の収入や支出の収支報告書への記載を定めており、弁護士らが特捜部に告発した。

安倍氏公設秘書を略式起訴
20年12月24日、東京地検特捜部は、前夜祭の費用補塡(ほてん)問題を巡り、「犯罪の事実を認めるに足る証拠を得られなかった」として、政治資金規正法違反と公職選挙法違反の容疑で告発された安倍前首相をいずれも不起訴処分(容疑不十分)とした。一方、「桜を見る会」の前夜祭の収支計約3022万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、前夜祭を主催した「安倍晋三後援会」代表の配川博之・公設第1秘書を政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴した。
事実と異なる答弁、118回
安倍前首相による「桜を見る会」前夜祭に関する疑惑を巡り、衆院調査局は12月21日、安倍氏が19年11月~20年3月に事実と異なる国会答弁を118回していたと明らかにした。質問への答弁を精査した結果、衆参両院本会議と予算委員会で見つかった。安倍氏周辺は、安倍事務所側が前夜祭の一部費用を補塡したことを認めている。安倍氏にその事実を伝えていなかったという。招待者名簿、資料請求後に廃棄

会の招待者名簿の取り扱いにも批判が集まった。政府は個人情報を含む膨大な文書なので「遅滞なく廃棄した」と説明した。しかし内閣府が大型シュレッダーで廃棄したのは、「桜を見る会」を巡る問題を取り上げた共産党が名簿を資料要求した2019年5月9日で、時間帯も直後だった。
公文書管理法に基づくガイドラインは「検証に必要な文書は原則として1年以上の保存期間を設定する」と定め、「意思決定に与える影響が極めて小さい」などの軽微な公文書は例外的に「1年未満」としている。内閣府は招待者名簿はこの1年未満の区分に該当し「用途が終わったので廃棄した」と主張した。ただ内閣府は10月28日に公文書の保存基準に関する内規を一部変更。追及が強まる中、廃棄を正当化するために基準を変えたのでは、と野党は疑念を深めている。
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