-
ジェネリックなど3000品目超が供給停滞 業界が抱える特殊事情
2022/3/25 17:00 3746文字病院や薬局などで購入できるジェネリック医薬品(後発薬)が、脆弱(ぜいじゃく)なサプライチェーン(供給網)の上に成り立っているのを知っているだろうか。製造工程に関する不正が相次いだ影響で、新薬(先発薬)を含め3000品目以上の供給が滞り、現場で混乱が生じている。取材を進めると、簡単には解きほぐせない
-
がん治療薬、相次いで供給不足に 拍車をかけたある事情
2021/12/5 17:25 3160文字膵臓(すいぞう)や胃、乳房などのがん治療に幅広く使われる2種類の薬の供給が、昨年から相次いで不安定になっている。いずれも工場で衛生管理上の不備が見つかり製造が止まったことが原因だが、代替の製造拠点や調達先がなかったことが供給不足に拍車をかけた。命にかかわる医薬品の安定確保に課題を残した。【小川祐希
-
国交省、独断で予約停止要請 「スピード重視」も即撤回の背景は
2021/12/2 21:36 3154文字新型コロナウイルスの「オミクロン株」への水際対策で、政府は国際線の新規予約停止を求める航空会社への要請を取りやめた。岸田文雄首相が目指す「先手対応」に向け国土交通省が独断で行った要請だが、公表翌日に撤回に追い込まれた。首相官邸の「ガバナンス(統治)」能力にも疑問符が付きかねない。 ◇停止要請、国交
-
オミクロン株 急速に拡大、南アでは7割 重症化リスクは不明
2021/12/2 19:27 966文字新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、世界保健機関(WHO)は最も警戒度が高い「懸念される変異株」(VOC)と位置づけているが、重症化リスクの程度やワクチンの効き目にどのような影響を与えるのかなどについては不明点が多い。WHOは数日以内に分析結果を示す方針で、各国でもデータ分析が進ん
-
謎多きオミクロン株 国内初確認で「流行のきっかけ」可能性
2021/11/30 21:17深掘り 2311文字世界で感染が急拡大している新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が国内で初めて確認された。政府は国内流入をなるべく防ごうと水際対策を強化するが、専門家は市中感染が起きるのを完全に防ぐのは難しいとみる。オミクロン株は未知の部分が多いが、国内でもこれに対抗するため3回目のワクチン接種を早め
-
-
オミクロン株、世界で一斉警戒 「強い感染力」性質はなお不明
2021/11/28 19:48深掘り 2334文字新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の出現に世界の緊張が高まっている。その性質には依然として不明点も多いが、デルタ株よりも強い感染力が指摘されており、各国は警戒を強めている。 ◇再びマスク着用義務、入国禁止… 「ワクチン接種を2回受けた人の間でも感染が拡大する可能性がある」。ジョンソン
-
坪倉正治医師が語る 「原発と新型コロナに共通する健康被害」
2021/11/9 14:00深掘り 3060文字昨年から続く新型コロナウイルスの流行は、人々のつながりを分断し、がんの発見の遅れや生活習慣病の悪化など多くの健康被害を招いた。福島県立医大主任教授の坪倉正治医師は、2011年の東京電力福島第1原発事故でも同様に、2次的な健康被害が生じたと指摘する。事故後、福島県で地域医療の支援を続けてきた坪倉さん
-
新型コロナとインフルの同時流行 専門家が警戒する理由と対策
2021/10/12 06:00 1527文字新型コロナウイルスの「第6波」が予期される今冬に、季節性インフルエンザが同時流行しないか、専門家が警戒している。双方の患者が急増して医療機関に殺到すると現場の負担が増え、医療崩壊を招く恐れがあるからだ。昨冬は大方の予想に反し、インフルエンザは流行しなかったが、だからこそ専門家が同時流行を懸念する理
-
ワクチン接種先進国でも制圧できず 「集団免疫」は獲得できないのか
2021/10/6 19:34深掘り 3456文字新型コロナウイルスワクチンの2回接種完了者が国内で6割を超え、感染者数は急激に減少している。一方、日本よりもワクチン接種の進んだ海外の国では感染が再び拡大。接種が完了した人の感染も相次いで確認されている。感染者が出ても他の人にうつしにくくなる「集団免疫」を獲得し、感染拡大の「第6波」を防ぐことはで
-
自宅療養 「万が一」防ぐため、気をつけたい重要ポイント
2021/8/15 13:00 1238文字新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、自宅療養をする患者が増えている。軽症患者でも容体が急変することが、新型コロナの特徴だ。流行の主流となっているインド由来の変異株(デルタ株)は、従来株に比べて若い人でも重症化しやすいとされる。自宅療養での「万が一」を防ぐために、何に気をつけたらよいのだろうか
-
-
期間中に第5波直撃 「五輪もやっている」の悪影響、専門家指摘
2021/8/8 20:15深掘り 1142文字東京オリンピックの期間中、新型コロナの新規感染者数は急増し、感染拡大の「第5波」が直撃した。首都圏を中心に医療体制は逼迫(ひっぱく)しており、専門家は「日本最大の危機が近づいている」と警鐘を鳴らす。 厚生労働省によると、東京五輪の開会式があった7月23日に確認された全国の感染者数は4204人だった
-
デルタ株、続く猛威 感染100万人超 自粛頼みの対策に疑問も
2021/8/6 20:44深掘り 1798文字国内の新型コロナウイルスの感染者が累計で100万人を超えた。感染拡大の「第5波」に突入し、感染者数は過去にない勢いで増えている。ワクチン接種だけでは変異ウイルスの流行を抑えることはできず、新型コロナの収束とはほど遠い。 「感染のスピードと医療の逼迫(ひっぱく)のインパクトは今までにない厳しいものだ
-
自宅療養 急変に注意「常に見守りを」 看病は1人で家族感染防止
2021/8/4 20:19深掘り 1298文字新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が「自宅療養」の対象を拡大する背景には、第5波で「中等症」の患者が急増し、医療体制が逼迫(ひっぱく)している現状がある。中等症患者の容体が急変するケースも多く、入院か自宅療養か――を巡って医療現場は難しい判断を迫られそうだ。 もし医師や保健所から「自宅療養」を告
-
自宅療養に転換、医療逼迫背景に 現場「急変対応できなくなる恐れ」
2021/8/3 21:13深掘り 3084文字新型コロナウイルス感染者について、政府は感染急増地域は自宅療養を基本とする方針を示した。入院は重症患者らに絞り込んだものの、東京都では感染者が爆発的に増えており、自宅療養者の病状急変に対応できなくなる恐れもある。 ◇首相「症状に応じて必要な医療を行う」 「ワクチン接種の進行と感染者の状況の変化を踏
-
「第5波」東京 なぜ重症化40~50代が増加するのか?
2021/8/1 16:00 1932文字新型コロナウイルスに感染して重症化する40~50代が増えている。感染拡大の「第5波」が深刻化している東京都では、高齢の重症者が年始の第3波や今春の第4波より少ない一方、40~50代は上回っている。医療現場では20~30代の中等症患者も目立つという。重症化しにくいとされていた比較的若い世代で、何が起
-
-
ワクチン巡るデマ、なぜ広がる? 不安によるストレスが生む連鎖
2021/7/17 08:00 4194文字新型コロナウイルスのワクチンを巡り、SNS(ネット交流サービス)などでさまざまな情報が飛び交っている。その中には、根拠のないデマも潜んでいるようだ。なぜこれほどまでデマが拡散するのか。社会心理学者の土田昭司・関西大教授に、人々がデマに取りつかれる理由について語ってもらった。【小川祐希】 ◇情報の曖
-
「有観客」固執の橋本氏、小池氏に電話も…ドタバタの裏で何が
2021/7/9 20:43深掘り 1323文字9日で東京オリンピック開幕まで2週間となったが混迷は続く。開催都市である東京都への4回目の緊急事態宣言発令が決まり、首都圏4都県での無観客開催が決まった。大会組織委員会は無観客を避けようと決定直前まで自治体との交渉を重ねたが、悪化する感染状況が立ちふさがった。 「大変遅い時間に申し訳ありません」。
-
アルツハイマー遅らす効果 疑念一転 追加審査で米条件付き承認
2021/6/8 21:14深掘り 2359文字アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」について、米食品医薬品局(FDA)が条件付きで承認した。これまで根本的に治す方法が見つかっておらず、画期的な薬になると期待する声もあるが、確立した治療法となるためには越えなければならないハードルがある。【酒井雅浩、小川祐希、林奈緒美】 認知症は、何らかの
-
コロナ特効薬の世界開発競争 大手からベンチャーまで加速
2021/5/31 21:17深掘り 2383文字新型コロナの特効薬の開発が、各国で加速している。ワクチンは感染を防ぐ効果が完全ではなく、特効薬には「局面を大きく変える『ゲームチェンジャー』になり得る」との期待がかかる。大手製薬企業だけでなく、ベンチャー企業も参入し、主導権争いを繰り広げている。【中川友希、小川祐希】 ◇一歩先を行く米ファイザー
-
昭和大 医学部元講師の改ざん論文142本を不正認定し処分
2021/5/28 20:14 1613文字昭和大(東京都品川区)は28日、医学部麻酔科学講座の上嶋浩順講師(当時)が執筆した142本の論文について、データの捏造(ねつぞう)や改ざんなどの不正があったと発表した。このうち117本の論文を撤回するよう上嶋氏に勧告し、2020年5月12日付で懲戒解雇した。上嶋氏を指導する立場だった大嶽浩司教授を
-
もっと見る