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「政治と宗教 日本の恥部にふたをするな」 平野啓一郎さん
2022/7/24 16:00 2890文字安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件の輪郭が少しずつ明らかになってきた。「事件は図らずも日本社会の持つ矛盾をあらわにした」。事件をそう読み解くのは、凶悪事件の加害者・被害者家族の苦悩を描いた小説も手がけ、常々政治に厳しい目を向けてきた小説家の平野啓一郎さん(47)である。 ◇「いつか起きるのでは」
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「あさきゆめみし」「日出処の天子」巨匠2人、友情紡いだ半世紀
2022/7/1 19:00 3310文字源氏物語を漫画化し、受験生が必ず読むと言われる人気漫画「あさきゆめみし」などで知られる大和和紀さん(74)と、聖徳太子を独自の設定で描き、熱狂的なファンを生み出した人気漫画「日出処の天子(ひいづるところのてんし)」などで知られる山岸凉子さん(74)の巨匠2人が、故郷の北海道にマンガミュージアムをつ
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特集ワイド
養老孟司さんに聞く「ひとはなぜ戦争をするのか」 攻撃性と傲慢さの表れ
2022/6/8 13:05注目の連載 2963文字なぜ、戦争をするのか――。平和への根源的な問いかけをテーマにしたアインシュタインとフロイトの往復書簡に、その理由を求める人が増えているという。ウクライナ侵攻が進む今、往復書簡を収めた本の解説を書いた解剖学者の養老孟司さん(84)と共に、戦争の暴力性について考えた。 往復書簡が収められているのは「ひ
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特集ワイド
ウクライナ侵攻、国連ができることは 総会の力結集に期待 元事務次長・明石康さん
2022/5/25 13:04注目の連載 3055文字ウクライナ侵攻で、国連改革を求める声が高まっている。安全保障理事会では、ロシアに即時撤退を要求する決議案が、ロシアの拒否権行使で採択できなかった。国連の果たすべき役割は何か。「ミスター国連」と言われた元国連事務次長、明石康さん(91)に会いに行った。 国連の目的は、国際平和や安全を維持することで、
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特集ワイド
ウクライナ隣国、東京・モルドバ料理店 平和いとしみ、杯交わす
2022/5/12 13:09注目の連載 2744文字ロシアのウクライナ侵攻で多くの隣国が避難民を受け入れている。その一つが「欧州の貧国」と言われ、ウクライナの南西側にあるモルドバだ。これまでに自国の人口の16%にあたる約41万人が押し寄せた。そんな支援国が、ロシアの次の「標的」になる可能性もあると聞く。そもそも、どんな国なのだろうか。「日本に1軒だ
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なぜか見過ごされた尿検査の結果 ウィシュマさん死去1年
2022/4/24 07:00 3165文字スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で収容中に亡くなってから1年が過ぎた。死去前の顕著な体調悪化を示す重要な検査結果が、幾重にも見過ごされていたことが国会で追及されている。検査結果を踏まえ、適切な医療措置を講じていれば、健康状態が改善された
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特集ワイド
この国はどこへ これだけは言いたい プーチン氏の論理、読み切れ 元外交官・東郷和彦さん 77歳
2022/4/22 13:08注目の連載 3590文字ロシアの軍事侵攻は予想以上に危険な段階に入りつつある、と警告する元外交官がいる。「プーチン(ロシア大統領)は危険な男です。彼の論理を読み誤ると恐ろしいことになる」とも話しているらしい。旧ソ連時代から半世紀以上もロシアという大国と向き合ってきた東郷和彦・静岡県立大グローバル地域センター客員教授(77
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私から返信がない時には… チェルノブイリの女性からの手紙
2022/3/24 08:00 2971文字「私から返信がない時には……」。ウクライナのチェルノブイリ原発に近いスラブチチ市で暮らすサビーナ・クジミクさん(22)から悲痛なメッセージが日本に届いた。クジミクさんは先天性の二分脊椎(せきつい)症などのため手術を繰り返している。だが、12回目の手術の後にロシア軍が町に攻め込み、チェルノブイリ原発
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声をつないで
日本のジェンダー、現在地は?国際比較データを本田由紀さんと読む
2022/3/8 09:00 4372文字家族、学校、政治、職場……。日本社会のさまざまな面を世界各国のデータと比べてみると、これまで当たり前と思ってきたことがちょっと違うことに気づく。では、日本の「ジェンダー」を巡る現状はどうだろう? 豊富な国際比較データから日本を分析した「『日本』ってどんな国?」(ちくまプリマー新書)の著者、社会学者
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ウクライナ危機「日本も連帯を」 露の侵攻受けたジョージア駐日大使
2022/2/25 18:08 2354文字ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、ロシアと国境を接する国でも緊張が高まっている。2008年に同じくロシアによる軍事侵攻を受け、ウクライナとも関係が近いジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使(33)が24日、毎日新聞のインタビューに答え、「他国の主権を侵すこと、暴力は断固として見過ごして
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「痛くてもやむを得ない」 収容者「制圧」の入管職員の証言
2022/2/14 18:00スクープ動画あり 3851文字東京入国管理局(現・東京出入国在留管理局、東京都港区)に収容されていた日系ブラジル人のアンドレ・クスノキさん(35)が、職員から暴行を受けてけがをしたとして国に損害賠償を求めた裁判。昨年12月に東京地裁で行われた口頭弁論では、クスノキさんを押さえ込む「制圧」に加わった入国警備官が出廷し、証言した。
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「うるさい、静かにしろ!」 入管施設「制圧」の実態 映像入手
2022/2/13 18:00スクープ動画あり 3611文字「倒そう、制圧、制圧」。手袋をはめた制服姿の入管職員が、収容されていた日系ブラジル人男性を6人がかりで押さえ込み、「痛い、痛い」と叫ぶ男性の腕をねじり上げた。「痛いじゃねーんだよ」「うるさい、静かにしろ」。職員の大声が響き渡る。これは、男性が東京入国管理局(現・東京出入国在留管理局、東京都港区)に
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「医療崩壊 真犯人は誰だ」著者 主犯は「災害対策怠った政府」
2022/2/8 11:00 3013文字新型コロナウイルスの第6波の感染拡大が続いている。第6波の主流のオミクロン株は重症化リスクが低いとされるが、感染者急増に伴って医療体制の逼迫(ひっぱく)も起きている。日本は人口あたりの病床数は世界トップクラスなのに、昨年の第5波では自宅療養死も相次いだ。なぜ「医療崩壊」が起きたのか。パンデミック(
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論点
医療崩壊、防ぐには
2022/2/2 02:01注目の連載 4452文字新型コロナウイルスの第6波の感染拡大が続く。オミクロン株は重症化リスクが低いとされるが、感染者急増で医療体制は逼迫(ひっぱく)しつつある。昨年の第5波では医療崩壊が起き、自宅療養死も相次いだ。一方、独自の取り組みで成果を上げた自治体もある。パンデミック(世界的大流行)に対応できる医療体制をどう構築
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共通テスト問題流出 Skypeで突然…“協力者”が明かした一部始終
2022/1/26 22:20深掘り 3722文字今月15日に実施された大学入学共通テストの試験問題が、試験時間中に撮影され、外部流出した疑いがあることがわかった。事実ならば前代未聞の不正行為だ。厳密な監視のもと、公平に行われるべき大学入試で、いったい何が行われていたのか。不正行為は防げるのか。【酒造唯、上東麻子、遠藤大志】 「知らぬ間に不正行為
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「断末魔のような声」 映像みた階議員が明かすウィシュマさんの様子
2022/1/16 18:00深掘り動画あり 2907文字名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容中だった昨年3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の監視カメラ映像を閲覧した立憲民主党の階猛衆院議員に話を聞いた。死亡直前は「断末魔のような声」が発せられていたと明らかにし、即座に救急車を呼ばなかった出入国在留管理庁(入管庁)
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ウィシュマさんの映像から言えることは 専門家がイラストを分析
2021/12/24 07:30深掘り 4687文字名古屋出入国在留管理局に収容中だった3月に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)への入管職員の対応は専門家からみて適切だったのか。ウィシュマさんの死亡前の様子を記録した監視カメラ映像の一部を再現したイラストなどを複数の専門家に見せ、疑問点を指摘してもらった。映像の一部は
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ファクトチェック
「ウイルスは変異するほど弱毒化」本当? オミクロン株で言説拡散
2021/12/7 09:00 4974文字新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」の感染が世界で広がり、日本でも感染者が確認された。SNS(ネット交流サービス)上では「変異するほど弱毒化する」といった根拠不明な言説も飛び交っている。ウイルス変異の仕組みや、現時点でオミクロン株について分かっていることを、米国立研究機関のウイルス研究
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ウィシュマさん死亡直前のビデオに映っていたもの
2021/12/6 17:00深掘り 3934文字名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で収容中の3月に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の死亡前の様子が少しずつ分かってきた。出入国在留管理庁が「保安上の理由」などから全面公開していなかった死亡直前の監視カメラ映像について、遺族代理人が裁判所に「証拠保全」を申し立て、裁
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退院を模索する当事者 筋ジスは「終身病棟」か
2021/11/24 10:00深掘り 3683文字筋ジストロフィーや脊髄(せきずい)性筋萎縮症など、次第に体が動かなくなる進行性の難病患者を受け入れる「筋ジス病棟」。入院が極めて長期にわたり、事実上の“終身病棟”となっていることが国の調査研究事業で明らかになった。だが、行動が制限されるなどの課題もあり、退院して介護を受けながら自立した生活を模索す
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