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AV救済法、取りこぼされた性風俗 「買われた性の痛み」聞いて
2022/7/20 16:31 1928文字アダルトビデオ(AV)の出演被害を防ぐため、議員立法で成立した「AV出演被害防止・救済法」。急ピッチで進んだ法整備から、取りこぼされた「当事者」たちの声を知ってほしい。AVの定義に「性行為」が明示された新法に、AV出演者だけでなく、性的サービスを行う風俗店に勤務経験がある女性たちの一部は懸念を示す
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見る探る
AV救済法、当事者の声は届いているか 買われる性、暴力、貧困
2022/7/20 16:30 3687文字アダルトビデオ(AV)の出演被害を防ぐため、議員立法で「AV出演被害防止・救済法」が成立した。法整備を呼びかけてきた支援者らの「被害者の希望につながる一歩」との評価は、被害者らと向き合ってきた強い実感がこもる。一方で、AVの定義に「性交を含む性行為」が明示された点には懸念も残る。その中には、AV出
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元首相銃撃 「心がザワザワする」人に伝えたい五つのポイント
2022/7/19 20:00 2435文字誰もが知る政治家が白昼の街中、公衆の面前で銃撃されるという衝撃的な事件。「心がザワザワする」「考えると眠れない」という声が聞こえてくる。ひとたびネット交流サービス(SNS)を開けば、事件を巡って考えの違う人への罵詈雑言(ばりぞうごん)も見受けられる。こうした事態に私たちはどう向き合えばいいのか。精
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性暴力を許さない
「最初の一人、嫌だったけれど」映画界の性暴力 告発女性の思い
2022/6/29 16:00 2820文字映画界で隠されてきた性暴力の告発が相次いでいる。米国から始まった「#MeToo」のムーブメントは演劇界や文学界にも広がり、業界を改善しようという動きも出始めた。「『最初の一人』になるのは本当は嫌だったんです。でも誰かが言わないと、という思いがありました」。告発した女性たちはどんな思いで声を上げたのか
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性暴力を許さない
NOと言えても性被害に ヤン ヨンヒさん「怒り爆発」明かした体験
2022/6/15 10:00 4315文字「性暴力について、『嫌ならNoと言えばいい』とか聞こえてきて怒り爆発してる」。日本の映画界で告発が相次ぐ性暴力の問題に、「かぞくのくに」「ディア・ピョンヤン」などの作品で知られる映画監督、ヤン ヨンヒさんはそうツイートした。「権力も腕力もあり、仕事での決定権もある人間が弱い立場の人に迫っておいて、
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「AV新法」賛否割れる 議論尽くされたか
2022/6/6 11:00 3336文字アダルトビデオ(AV)の出演被害防止・救済に向けた法案は衆院本会議を全会一致で通過し、参院に送られた。新法案を巡っては、性暴力や性的搾取の撲滅という共通の目的で活動してきた支援者、弁護士らの間でも、意見は大きく割れた。被害救済を初めて明文化することに「画期的」と評価する声もあれば、売春防止法が禁止
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「月額100万円未満」ならいいのか 細田議長発言の問題点とは
2022/5/14 19:00 2175文字細田博之衆院議長が10日の自民党議員のパーティーで「1人当たり月額100万円未満であるような手取りの議員を多少増やしても、罰は当たらない」などと発言した問題が波紋を広げている。中立であるべき議長としての発言の是非だけでなく、「月額100万円未満」を少ないとのニュアンスで持ち出したことが、庶民感覚と
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AV対策法「性行為に金銭支払うことを合法化」 支援団体の懸念
2022/5/12 21:48 2402文字アダルトビデオ(AV)への出演被害を防止するため、与野党6党は、撮影から一定期間は無条件に契約を解除できるなどとする新法案の協議を急ピッチで進めている。今国会中の成立に向けて合意を目指す一方で、性暴力や性的搾取の被害者支援に取り組んできた団体からは、法律の条項案に反対する声が強まっている。「性行為
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「祈りを卵にのせて」 ウクライナ伝統工芸で支援の輪広げる
2022/4/15 11:00 1733文字卵の殻にろうけつ染めで施されたのは、色鮮やかで繊細な幾何学模様に、花や太陽、鳥たち――。「プィーサンキ」と呼ばれるウクライナの伝統工芸だ。日本の「お守り」のように祈りや願いが込められた装飾品で、間もなく訪れるイースター(キリスト教の復活祭)でも飾られる。このプィーサンキを通じ、ロシア軍の侵攻による
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「プーチンはソ連の申し子」 元ウクライナ大使が迫る実像
2022/4/7 06:00 3491文字「私が親しんできたロシアの人々を思い出しつつ、どんなに考えても、やはりこの戦争がロシアの民意を反映しているとは思えないのです」。そう話すのは、元ウクライナ大使の天江喜七郎さん(78)だ。ロシア語を学んでモスクワ大に留学し、旧ソ連日本大使館公使としてソ連崩壊を現地で目の当たりにした。外交官時代に、ロ
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伊藤詩織さん敗訴 中傷投稿「いいね」が違法と認められない理由とは
2022/3/26 06:00 3174文字ツイッター上で国会議員が繰り返した「いいね」は、不法行為と認められなかった。ジャーナリストの伊藤詩織氏が自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック選出)を相手取った損害賠償請求訴訟で、東京地裁(武藤貴明裁判長)は25日、伊藤氏側の請求を棄却する判決を言い渡した。伊藤氏は東京都内で記者会見し「こうし
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伊藤詩織さん中傷投稿、なぜ減少 荻上チキさんが考える提訴の意義
2022/3/25 16:00 3098文字ジャーナリストの伊藤詩織氏(32)は、自身が受けた性的暴行と、それを告発したことによるネット交流サービス(SNS)上での誹謗(ひぼう)中傷に対する損害賠償を求め、約4年半の間、司法の場で闘ってきた。この間、伊藤氏に言及したツイッター上の投稿を分析すると、勝訴を重ねる中で、誹謗中傷やネガティブな投稿
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声をつないで
絶えない痴漢被害 「傍観者」から一歩踏み出して
2022/3/24 16:00 2126文字痴漢防止の啓発を巡り、「女性に自衛を求める」という従来ありがちなポスターに違和感を抱き、警察や鉄道会社と議論を重ねながら新たなポスターを制作した京都女子大の学生たち(「加害者どこ?」違和感の先に 大学生がつくった新たな痴漢防止ポスター)。共に制作に関わった同大法学部の市川ひろみ教授に、取り組みの意
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声をつないで
エアドロップ痴漢NO! 身近な性暴力防止へ、動く女子大生たち
2022/3/16 10:00 2257文字痴漢被害をなくすにはどうしたらいいか--。被害が身近にある名古屋の女子大生たちが知恵を絞り、痴漢防止ポスターを作った。京都でも学生たちは主に被害者のリアルな心情を訴えかけた(「加害者どこ?」違和感の先に 大学生がつくった新たな痴漢防止ポスター)が、名古屋の学生たちは加害者や、スマートフォンを使った
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声をつないで
「加害者どこ?」違和感の先に 大学生がつくった新たな痴漢防止ポスター
2022/3/12 08:00 3632文字「混雑した車両や、混雑する扉付近は避けましょう!」「泣き寝入りしないで!勇気を出して通報を!」――京都府警鉄道警察隊(鉄警隊)が2020年秋、痴漢防止の啓発のために、駅構内の電光掲示板などに掲載したポスターだ。JR京都駅でポスターを見かけたある教授は思った。「被害者に行動を求めるものばかり。加害者
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「私が日本からできること」 ウクライナ侵攻、抗議デモの若者ら
2022/3/4 14:00 3792文字ロシアによるウクライナ侵攻に抗議する集会が、先週から国内各地で開かれている。東京・渋谷で2月26日に開かれたデモでは、在日ウクライナ人のほか、日本の若者たちがそれぞれのメッセージを書いた紙を掲げていた。どんな思いで参加したのか、何を伝えたかったのか――。改めて聞かせてもらった。【宇多川はるか/デジ
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特集ワイド
芸能人の働き方を問う 花さんの炎上「守る義務ある」 母、フジなど提訴へ
2022/2/22 12:55注目の連載 2735文字フジテレビの人気リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、SNS(ネット交流サービス)で誹謗(ひぼう)中傷されて亡くなったプロレスラーの木村花さん(当時22歳)の母響子さん(44)が昨年末、フジテレビと制作会社に損害賠償を求めて提訴する方針を明らかにした。響子さん側は「リアリティーショーと言いなが
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テラハ問題が問う芸能界の「労働者性」 夢搾取の構造はどこに
2022/2/12 16:00深掘り 3584文字フジテレビの人気リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、SNS(ネット交流サービス)で誹謗(ひぼう)中傷されて亡くなったプロレスラーの木村花さん(当時22歳)の母響子さん(44)が昨年末、フジテレビと制作会社に損害賠償を求めて提訴する方針を明らかにした。響子さん側は「リアリティーショーと言いなが
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トンガ津波「分からない」が大事だった 気象庁に見る「リスコミ」
2022/1/28 17:00 2941文字南太平洋・トンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火に伴う津波について、気象庁は最初の記者会見で「メカニズムは分からない」と繰り返した。有事の際に「分からない」ことをきちんと伝える重要性はどこにあるのか。リスクコミュニケーション(リスコミ)のあり方を考えたい。【宇多川はるか、酒造唯/デジタル報道センター
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現場見ずに「子どもの安全」? コロナ理由に保育所監査緩和の動き
2022/1/22 14:00深掘り 2622文字現場を見ずに、子どもの安全は守れるのか――。児童福祉法施行令で自治体に義務付けられている保育所への監査を巡り、「実地で行う」という要件を削除する改正施行令が4月1日に施行されようとしている。新型コロナウイルスの感染拡大防止が主な理由だが、保育事故の遺族や識者らからは「現地に行かなければ確認できない
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