長宗拓弥

トンガと日本、楕円の絆　噴火1週間　ラグビー界、被災地への思い

　南太平洋のトンガ沖で15日に起きた海底火山の大規模噴火から22日、1週間を迎えた。トンガと深い縁で結ばれているのが日本のラグビー界だ。長年、多くの同国出身者が日本で活躍してきた。この日、ラグビーの新リーグ「リーグワン」の公式戦で、選手は母国や家族への思いを胸にピッチへ立ち、ファンや関係者も被災地へ

BL東京、同時に2人退場　珍事で闘志、リーグワン初勝利

　ラグビーのNTTリーグワン1部第2節は15日、大阪・ヤンマースタジアム長居などで3試合が行われ、B組のBL東京は大阪を35－16で降し、新リーグ初勝利を挙げた。　珍事が闘志を奮い立たせた。BL東京が同時に2人の退場者が出る危機を乗り切り、リーグワン初白星をつかんだ。　ハプニングは16点リードの後半

「監督を疑え」東海大大阪仰星、マンネリ脱しV　全国高校ラグビー

　第101回全国高校ラグビー大会は8日、東大阪市花園ラグビー場で決勝があり、東海大大阪仰星（大阪第2）が国学院栃木を降し、4大会ぶり6回目の優勝を果たした。　優勝を宿命づけられたチームが覇権を取り戻した。　初の4強入りから一気に決勝に進んだ国学院栃木の勢いを、ねじ伏せた。運動量豊富なFW陣が密集で奮

コネクト

東海大大阪仰星の哲学　「超非効率」で狙う日本一　高校ラグビー

　なぜ、遠回りをするのか。第101回全国高校ラグビー大会で6回目の優勝に挑む東海大大阪仰星（大阪第2）は「超非効率」な手法で日本一を目指している。そこには勝利よりも大事な哲学がある。　◇花園の前も「ワンチーム」？　12月中旬。東海大大阪仰星のグラウンドを、100人に迫る部員が一団となって駆けていた。

東海大大阪仰星、快勝で4強　大阪勢対決に聖地沸く　高校ラグビー

　第101回全国高校ラグビー大会は3日、東大阪市花園ラグビー場で準々決勝があり、東海大大阪仰星（大阪第2）が常翔学園（大阪第1）との大阪勢対決を45-7で制し、優勝した第97回（2017年度）以来、4大会ぶりに準決勝に進んだ。　　　◇　初めて花園で実現した大阪の両雄による対決。2大会ぶりに観客が詰め

常翔学園「死のブロック」突破　走れる大型FW躍動　高校ラグビー

　第101回全国高校ラグビー大会は1日、東大阪市花園ラグビー場で3回戦があり、常翔学園（大阪第1）が石見智翠館（島根）を降し、準々決勝に進んだ。　難敵との元日決戦を制し、常翔学園が強豪集う「死のブロック」で生き残った。大会通算勝利数は、秋田工（134勝）、天理（奈良、105勝）に続く、史上3校目の1

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「泥だらけのきなこ餅」が激変　石見智翠館の練習環境　高校ラグビー

　「弁当忘れても傘忘れるな」。移ろいやすい山陰の冬の空模様を表す言葉だ。第101回全国高校ラグビー大会でBシードの石見智翠館（島根）も冷たい雨や雪に悩まされてきた。それが、今や「1億円の環境」を手に入れ、万全の準備で花園に乗り込んできた。　青々とした海に、美しい緑が映える。石見智翠館のラグビー部専用

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巡り合い　花園初出場の読谷と前監督の切れない絆　高校ラグビー

　突然の別れから9カ月――。約束の地である「花園」で再会を果たす。第101回全国高校ラグビー大会に読谷（沖縄）が初出場する。28日に1回戦に臨む選手たちの雄姿を誰よりも待ち望んでいた人が、他の出場校にいる。　◇春の1勝　花園に夢つないだが…　「初めて全国大会を経験できて、『さあ、これから』という時だ

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くじ運「最凶」報徳学園　切り札は「最強」バックス　高校ラグビー

　確かな地力を備えながら、強敵と当たって上位進出を阻まれる。それが近年の報徳学園（兵庫）だ。27日開幕の第101回全国高校ラグビー大会でも、第1日の初戦は優勝経験のある茗渓学園（茨城）との「潰し合い」になった。そんな「最凶」のくじ運も、今大会は「最強」のバックス陣で乗り越えられるかもしれない。　◇よ

コネクト

留学生第1号が花園初采配へ　仙台育英ニールソン監督　高校ラグビー

　花園初の留学生選手が四半世紀の時を経て、監督として聖地へ帰る。第101回全国高校ラグビー大会に出場する仙台育英（宮城）を率いるのはニュージーランド（NZ）出身のニールソン武蓮伝（ぶれんでん）監督（43）だ。「あの頃は日本で監督や教員になるなんて、想像もしなかった」。感慨を胸に27日の開幕を迎える。

ミライのジャパン

東海大大阪仰星NO8薄田周希　尾崎豊を愛するファイター　高校ラグビー

　世代屈指のFWには知られざる特技がある。「おうち時間」に始めたギターだ。好んで演奏するのは「Forget－me－not」など故・尾崎豊さんの曲。学校のイベントでも弾き語りを披露した。「最近のJ－POPよりも昔の曲が好きで。知っている曲なら、だいたい演奏できるようになりました」　ラグビーとの出会いも

ミライのジャパン

倉敷・NO8ラリー　兄はアイルランド代表　全国高校ラグビー

　会話には時折、「じゃけ」と方言がまじる。来日から2年半が過ぎ、岡山での暮らしにすっかりなじんだ。創部3年目で第101回全国高校ラグビー大会（27日開幕）に初出場する新鋭には、兄に世界的スター選手を持つ「金の卵」がいる。　能力は折り紙付きだ。192センチ、107キロの体格を生かした突破力はもちろん、

熱冬の主役たち

県またいだ3校で全国に　「花園請負人」の流儀　全国高校ラグビー

　まれな記録で大会の歴史に名を刻む。27日開幕の全国高校ラグビー大会に初出場する倉敷（岡山）の梅本勝監督（58）だ。江の川（島根、現石見智翠館）、尾道（広島）に続き、3校目を率いて花園に臨む。県をまたいでゼロからチームを育てた、いわば「花園請負人」。その真骨頂は、過去の成功体験にとらわれない大胆さに

消した名門「神戸製鋼」のチーム名　ラグビー新リーグに挑む決意

　2022年1月、ラグビー界に新たな一ページが刻まれる。トップリーグ（TL）を刷新した新リーグ「ジャパンラグビーリーグワン（リーグワン）」が開幕するのだ。ラグビー担当として取材を続ける中で、私は屈指の名門・神戸製鋼が下した決断に驚いた。チーム名から企業名や「神鋼」を消したのだ。その理由を探ってみると

ラグビー日本代表、「ティア1」の壁　敵地で一度も勝てぬ彼我の差

　ラグビー界には「ティア1（ワン）」という言葉がある。「世界の強豪10カ国・地域」の意味で、ピッチの内外で影響力を持つ。2019年のワールドカップ（W杯）日本大会で史上初の8強入りを果たした日本代表だが、実はティア1にアウェーで勝ったことがない。今年11月の欧州遠征でもアイルランド、スコットランドに

記者たちが見た大久保嘉人 希代のストライカーの記憶

　J1で史上初の3年連続得点王に輝いた元日本代表FW大久保嘉人が39歳で引退する。高校サッカーの名門、長崎・国見高からプロ入りし、国内外で数多くのクラブを渡り歩いた希代のストライカーの記憶を、記者が振り返る。　◇裏切りと驚き、W杯南アフリカ大会・2010年　いい意味で裏切られた。2010年のワールド

コロナ下も「来訪を」　W杯カタール大会まで1年　人権問題に懸念も

　中東で初開催となるサッカーのワールドカップ（W杯）カタール大会が、1年後の11月21日に開幕する。酷暑を避けた異例の11～12月開催。1年後の新型コロナウイルスの感染状況は見通せないが、収束を期待して大会組織委員会は「世界から来訪を」と呼び掛けている。　◇広さは秋田県、コンパクトをアピール　10月

ラグビー界の「顔」もポジション争い　リーチは復活できるのか

　かつての大黒柱も、今はポジションを争う立場だ。ラグビー日本代表のFWリーチ・マイケル（BL東京）は相次ぐけがで出場機会が減り、今秋に主将の座を降りた。重圧から解放され、日本ラグビー界の「顔」は復活するのか。世代交代の波にのみ込まれるのか。　◇苦境の種まいたポルトガル戦　日本は13日、ポルトガル代表

追悼・日比野弘さん　大八木淳史さんが語る伝説のウェールズ戦

　早大ラグビー部監督として3度の大学日本一を果たし、日本代表監督や日本ラグビー協会の名誉会長などを務めた日比野弘（ひびの・ひろし）さんが14日、死去した。日比野さんが指揮した日本代表で活躍した大八木淳史さん（60）は「情熱的でパッションの方だった。ラグビーの歴史、時代が変わっていくな……」と別れをし

プロ経験なし、元アルバイトのセレッソ小菊監督　挑むルヴァン決勝

　日本のプロスポーツ界に一石を投じる挑戦だ。30日のサッカー・JリーグのYBCルヴァン・カップ決勝（埼玉スタジアム）で4年ぶり2度目の優勝を狙うセレッソ大阪の小菊昭雄監督（46）は、プロ選手の経験がない。クラブで最初の肩書はアルバイトだった異色の指揮官は「たたき上げとしてのプライドがある」と、信念を