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原発9基稼働はそもそも計画 電力業界、岸田氏の「アピール」指摘も
2022/7/16 06:00深掘り 1632文字冬の電力需給逼迫(ひっぱく)懸念を受け、岸田文雄首相が最大9基の原発稼働を進めると発言した。これまで岸田氏は原発について「安全性を大前提に最大限の活用を図る」などと繰り返していたが、今回は大きく踏み込んだのか。東日本大震災以降、停止したままの原発が新たに動き出すかのようにも聞こえるが、どう受け取れ
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「天文学的数字」原発事故賠償13兆円 個人に責任、電力大手に動揺
2022/7/13 21:37深掘り 1054文字東京電力の旧経営陣4人に13兆円余の巨額賠償を命じた13日の東京地裁判決は、福島第1原発事故を巡るこれまでの司法判断と比べて東電の「怠慢」に格段に厳しい視線を注いだ。原発を扱う電力会社の取締役に安全への配慮を強く迫る内容で、電力業界は判決の指摘を重く受け止めた。 ◇動揺する電力会社 「まさか」「天
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節電、燃料高騰、サハリン2…岸田政権が直面するエネルギー問題
2022/7/11 18:37 2312文字参院選に勝利した岸田文雄政権は、地政学リスクで揺れる日本のエネルギー安全保障をどのように確保するか、という難題に直面する。ロシアのウクライナ侵攻などの影響で化石燃料の調達や電力の供給が不安定化し、エネルギー価格の高騰が企業や家計にのしかかるなか、資源小国ニッポンの針路が問われている。 ◇ロシアが揺
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揺れるサハリン2 電力危機に追い打ち? 値上げに波及する恐れ
2022/7/1 21:01深掘り 2245文字電力需給の逼迫(ひっぱく)に見舞われている日本が、ロシアの新たな戦略に揺さぶられている。ロシアのプーチン大統領は6月30日、石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で日本企業が持つ権益の「接収」に道を開く大統領令に署名した。サハリン2からの液化天然ガス(LNG)輸入が滞れば日本の電力供給に打撃となりか
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「切り札」は老朽火力発電所? 安定供給目指す首相の危険な賭け
2022/6/30 19:44 1157文字日本列島が連日、厳しい暑さにさらされる中、全国規模の節電要請期間が7月1日にスタート。政府や電力各社は供給増を模索するが、需給逼迫(ひっぱく)を大幅に改善するのは難しい状況だ。 ◇電力業界「いつトラブルが起きても…」 「(電力需給は)決して余裕がある状況ではない。引き続き節電への協力をお願いしたい
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電力も水も足りない?…「異例」の夏 厳しい暑さのワケは
2022/6/27 21:08深掘り 3569文字関東甲信地方、東海地方、九州南部は27日、異例の早さでの梅雨明けとなった。気象庁によると、今後2週間は各地で高温が予想されるなど、今年は暑さの厳しい夏になるとみられている。気候変動に伴って日本では猛暑日が増加傾向にあり、冷房利用増加に伴う電力需給の逼迫(ひっぱく)に加え、水不足など多方面への影響が
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政府、G7との連携演出 極東開発の権益は維持 露産原油禁輸
2022/5/9 21:40深掘り 1792文字ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの追加制裁として、日本政府が露産原油の禁輸に踏み切ったのは、主要7カ国(G7)の連携を重視するためだ。輸入する露産原油の割合は大きくなく象徴的な意味合いも強いが、国内経済に悪影響が出ないよう警戒している。 ◇「後手批判」回避も後押し 岸田文雄首相は9日朝、首相官邸
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「売るほど赤字」 撤退相次ぐ新電力の苦境とその余波
2022/5/6 06:00 2825文字2016年の電力小売り全面自由化で参入した「新電力」と呼ばれる電力会社の事業撤退が相次いでいる。ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格高騰などで、電気を売れば売るほど赤字が増える「逆ざや」が続いているためだ。顧客だった企業や自治体は契約先の切り替えに追われ、電力大手にも思わぬしわ寄せが及んでいる。電
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自民「野党共闘にくさび」 唯一の誤算 「トリガー条項」先送り
2022/4/19 21:27深掘り 2548文字燃油価格高騰対策として、自民、公明、国民民主の3党が議論してきた、ガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除の先送りが決まった。国民民主は2022年度予算に賛成に回って自公に接近し実現を狙ったが、業界団体などから反発を受けて機運は急速にしぼんだ。3党は今後も枠組みを維持するが、先行きは不
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ロシア産石炭禁輸 各社調達先変更へ 資源小国ニッポンの正念場
2022/4/11 20:57 1717文字岸田文雄首相がロシア産石炭の輸入を段階的に廃止すると表明したことを受け、企業が「脱ロシア」に動き出した。ただ、調達先を他国に変更する動きは世界中で発生中。全面的な切り替えは容易ではなく、調達が滞ればさらなる電気料金の値上げも避けられない。ロシア産石炭とどう決別するか。企業が正念場を迎えている。 ◇
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EUは原油、天然ガス禁輸に踏み切れるのか 制裁加速も「抜け道」
2022/4/8 21:41深掘り 2774文字ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)が経済制裁のレベルをさらに引き上げた。ウクライナ北部で多数の住民が無残に殺害されたことへのショックが大きい。西側諸国は一致して、ロシアを追い込むことができるのか。 ◇原油、天然ガス禁輸に高いハードル 「ロシア軍による恐るべき残
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後手に回った政府と東電 大規模停電の危機、突然要請に企業不満
2022/3/22 21:24深掘り 2608文字日本の電力インフラの脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。東京、東北電力管内で電力の供給が需要に追い付かない事態となり、政府は「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出した。2012年の制度創設以来、初めての発令だが、突然の節電要請に企業などからは戸惑いの声も出た。なぜ、このような事態が起きたのか。 ◇萩生田
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実は輸入できているロシア産のカニやウニ 食卓から消える日は来るか
2022/3/19 17:00 2487文字ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁により、ロシア産に依存するカニやウニ、明太子といった日本でおなじみの水産物が食卓から遠のくという懸念が広がっている。実は今のところ、制裁下にもかかわらずロシア産水産物の輸入に影響は出ていないというが、取材を進めるとさまざまなリスクも見えてきた。 ◇ノルウェー産
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首相の省エネ号令 燃料「脱ロシア」に踏み切るのか?生活への影響は
2022/3/9 21:42 2782文字岸田文雄首相が国民に「省エネ」への協力を呼びかけた。日本は天然ガスや石炭、原油をロシア産に一定程度依存するが、ウクライナ情勢が深刻さを増す中、ロシア産燃料を禁輸にする強い制裁カードを検討しなければならない局面に入ったためだ。資源小国の日本が「脱ロシア」に踏み切った場合、毎日使っている電力やガスを巡
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ロシア産原油禁輸 世論に押された米、EUは一から戦略見直し必至
2022/3/9 20:40深掘り 3440文字米英と欧州連合(EU)は8日、ロシアのウクライナ侵攻に対する追加経済制裁として、ロシア産原油の禁輸や輸入削減に踏み切った。輸出先を失うロシアに打撃を与えることになるが、世界的にエネルギー価格が上昇して、世界経済に深刻な懸念を及ぼす可能性がある。欧米各国はエネルギー価格の抑制や安定調達に向けて戦略の
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ウクライナ侵攻の余波「小麦争奪戦」も 強まる値上げ圧力
2022/3/5 07:00 2029文字ロシアによるウクライナ侵攻の余波が食卓に及びそうだ。両国は穀物の生産が盛んで、とりわけ小麦は世界有数の産地。港湾の混乱で輸出が滞る懸念から、小麦の国際相場は急上昇して約14年ぶりに最高値を更新しており、最近値上がりしたばかりの小麦粉やパン、麺類の価格にさらなる上昇圧力がかかる。次の値上げはいつごろ
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「そんなに上がったらまずい」首相が漏らした資源高騰への危機感
2022/3/4 05:00深掘り動画あり 2253文字資源大国ロシアのウクライナ侵攻で資源高が加速している。欧米の制裁拡大で取引が途絶したり、ロシアが報復で供給を絞ったりすることが懸念されているためだ。ロシアが輸出するのは原油や天然ガスなどの化石燃料から、希少金属まで幅広い。日本でも、ガソリン価格や電気ガス料金をはじめ、生活に影響が出るのは必至だ。政
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欧米、国際決済網からロシア排除 自らの打撃覚悟で最後の手段に
2022/2/27 21:42深掘り 3759文字ウクライナに侵攻を続けるロシアへの経済制裁として、欧米諸国がロシアを国際的な金融ネットワークから排除する新たな措置に踏み切った。経済制裁では最後の手段を意味する「核オプション」と言われてきた措置だ。ロシア経済が大きな打撃を受けるのは必至だが、世界経済への影響も懸念される。欧州では慎重な声も出ていた
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水産物の偽装、突破は簡単? 「国産信仰」と業界のいびつな力関係
2022/2/22 11:00 3101文字「熊本県産」としてスーパーに並んでいたアサリの大半が輸入品だったことが判明し、大きな波紋を広げている。ただ、近年の産地偽装問題を振り返ると、アサリにとどまらず、水産物で際立って多い。なぜ、後を絶たないのか。取材を進めると、制度の「抜け穴」と、複雑な業界事情が見えてきた。 ◇アサリ偽装なぜ発覚? 1
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大量廃棄の「生乳危機」はなぜ起きた?
2022/1/28 09:00 2525文字牛乳や乳製品の原料となる生乳が昨年末から供給過剰に陥り、一時は大量廃棄の寸前まで追い込まれた。回避できたのは「消費者の力」(関係者)が大きかったという。年末年始に繰り広げられた“生乳危機”を検証した。 ◇「牛乳飲んで!」首相も訴え 「全国のみなさま ありがとうございました」。酪農・乳業の業界団体・
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