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特集ワイド
ウクライナ侵攻 市民への無差別殺害、またも 重なる1945年の日本 軍事ジャーナリスト・前田哲男さん
2022/6/10 13:06注目の連載 3457文字1945年の日本、2022年のウクライナという二つを重ね合わせることで、見えてくるものがあるという。「ウクライナで起きていることと同じようなことを、77年前に我々自身も経験している。ですが、そういう視点での分析や報道があまり見られない気がします」。御年83歳の軍事ジャーナリスト、前田哲男さんを訪ね
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「敵基地攻撃能力」→「反撃能力」改称 言い換え、裏に別の意図
2022/5/17 13:18注目の連載 2955文字どうにも釈然としない。相手国のミサイル発射拠点などを破壊する「敵基地攻撃能力」について、自民党が「反撃能力」に改称するよう政府に提言した一件である。同じ武力行使を意味する言葉だが、あえて言い回しを変えるとは、裏にどんな政治的意図が隠れているのか。 「反撃能力」への改称提言は、政府の国家安全保障戦略
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坂上忍さん「バイキング」卒業 テレビに「毒」もっと必要
2022/5/2 13:24注目の連載 3010文字フジテレビ系平日昼の情報番組「バイキングMORE」のMC(司会)を今春まで8年間務め、ようやく肩の荷を下ろした顔である。タレントの坂上忍さん(54)。人気の毒舌家であり、同番組で舌鋒(ぜっぽう)鋭くニュースや社会問題に切り込んだ姿は記憶に新しい。「実はあちらこちらから怒られて大変でした」。メディア
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学び続け、人生第二幕 工藤公康さん、58歳の挑戦 監督在任中に修士論文、博士課程へ
2022/4/19 13:09注目の連載 2790文字この春、新入学生や新入社員の初々しい姿を見かけ、「ああ、もう一度あの頃に戻ってやり直したい!」と思った人もいるかもしれない。でも、学びや成長の機会は、なにも若者にだけ訪れるわけではない。「一生、勉強する心を持っていたい」と意気盛んなのは、プロ野球・ソフトバンクの監督を昨季で退いた工藤公康さん(58
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この国はどこへ これだけは言いたい 安全保障、国民が立たなければ 法哲学者・東京大名誉教授 井上達夫さん
2022/4/8 13:06注目の連載 3653文字ロシア軍のウクライナ侵攻から1カ月あまり。いまだ出口は見えない一方で、今回の事態は、自国をどう守るのかという問いを日本にも突きつけている。 「我々がウクライナから学ぶべきは、国が侵略された時、その国民が本気で戦おうとしない限り誰も助けてくれないこと、なんですよ。代わりに戦ってもらおうなんて甘いです
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ウクライナ侵攻 原子力行政熟知 元文科事務次官・坂田東一さん 原発「人質」人ごとでない
2022/3/28 13:13注目の連載 3036文字まさに暴挙である。ウクライナに侵攻したロシア軍が、あろうことか原発を占拠しているのだ。もし放射性物質が外部に拡散するようなことになれば、その影響は計り知れない。核施設が「人質」に取られるという前代未聞の事態。数多くの原発を抱える日本にとっても、決して人ごとではない。 東京都内の待ち合わせ場所を訪ね
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情報「鵜呑みにはしない」 詩人・茨木のり子さんがハングルを学んだ意味
2022/3/18 12:56注目の連載 2530文字隣の国の言葉ですもの――。かつてそう言って、韓国語の習得に励んだ詩人がいた。詩集「自分の感受性くらい」「倚(よ)りかからず」などの作品で知られ、2006年に79歳で亡くなった茨木のり子さん。折しも韓国では新大統領が決まった。冷え込んだ日韓関係の改善が求められる今、茨木さんが残したメッセージの意味を
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コロナ時代の幸福論 小さな胸キュン味わい直す 歌人・俵万智さん
2022/3/11 12:58注目の連載 3583文字不特定多数の人たちと瞬時につながることができるネット交流サービス(SNS)は確かに便利で魅力的だ。でも最近は「いいね」の数をみんなが競い合っているようで、なんだか息苦しい。そう思っていたら、歌人の俵万智さん(59)のツイートがふと目に留まった。<『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記
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この国はどこへ コロナの時代に 「どうでもいい仕事」見直す時 大阪府立大教授・酒井隆史さん 56歳
2022/2/25 13:34注目の連載 3587文字「100年後には週15時間労働で事足りる」。英国の経済学者、ケインズがこう見通したのは1930年だ。私たちは今、まさにその時代のとば口に立っているわけだが、忙しさはちっとも減っていない。この予測は外れたのか。ところが社会思想に詳しい大阪府立大教授の酒井隆史さん(56)に尋ねると、必ずしもそうとは言
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時代の必然「新庄劇場」 計算し尽くした見栄え シンプルで刺さる言葉
2022/2/3 12:43注目の連載 2822文字今、日本で一番目立っている人が誰かと問われれば、迷わず「ビッグボス」を挙げてみたい。プロ野球・日本ハムを率いる新庄剛志監督(50)だ。選手時代をほうふつさせる破天荒なキャラクターは健在。でも、いや、だからこそ何かを期待したくなる。不思議だらけの新庄ワールドを「解体」してみた。 赤を基調としたロング
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酒井法子さん 消えない過去、スルーしない 迷い語った今の幸せ
2022/1/28 14:54 3634文字待ち合わせた東京都内のカフェで、酒井法子さんはおもむろに口を開いた。「すごく悩んで今日、ここに来ました。幸せについて何がしゃべれるのか分からなかったし、そもそも私がしゃべっていいのかな、とずっと自問自答していたんです」。酒井さん、表情に複雑な心境をのぞかせた。 1980年代後半から90年代に青春時
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コロナ時代の幸福論 体の「声」に耳澄ませて 作家・吉本ばななさん
2022/1/20 12:35注目の連載 2922文字東京都内の事務所を訪れると、吉本ばななさん(57)は落胆顔でこう切り出した。「大打撃ですよ」。聞けば、海外関連の仕事がごっそりなくなったのだという。外国から講演会やら文学イベントやらに毎年招かれてきたが、新型コロナウイルス禍で海外に行けなくなったあおりをもろに受けた形である。ばななさんといえば、著
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社会人だってお笑いしたい! 仕事の失敗も「おいしい」ネタ 肩書なき勝負魅力
2022/1/14 12:49注目の連載 2507文字漫才日本一を決める大会が2021年の師走、東京で開かれた。と言っても「M―1グランプリ」のことではない。出場者にプロ芸人はゼロ。ステージに立ったのは会社員や公務員ら、いずれも本業を別に持つ人たちだ。社会人の間で今、「趣味としてのお笑い」を始める人が増えているそうだ。 「どうもー、○○でーす」。12
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ノーベル賞・真鍋さん 米国籍で漢字表記、なぜ? 「日本人」線引きの違和感
2021/12/13 13:29注目の連載 2796文字地球温暖化予測の礎を築き、今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)。その真鍋さんに対し「日本人として誇らしい」という称賛の声が上がっている。でも、ちょっと待ってほしい。真鍋さんは米国籍を持つ、正真正銘の米国人である。こういう時だけ「日本人扱い」するのはどうな
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この国はどこへ これだけは言いたい 戦争思い出す「よすが」必要 「この世界の片隅に」監督 片渕須直さん
2021/12/3 12:40注目の連載 3737文字◇アニメ映画「この世界の片隅に」監督 片渕須直さん 61歳 1941年12月8日(日本時間)、日本は米ハワイの真珠湾を奇襲攻撃した。太平洋戦争に突入した日からまもなく80年。当時を知る人の多くが既に他界し、存命者も少なくなっている。「うかうかしていると、あの戦争を理解するための『つかみどころ』をど
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この国はどこへ コロナの時代に 生きること、味わえればいい 作家・明治学院大教授、ドリアン助川さん 59歳
2021/11/19 12:38注目の連載 3612文字ドリアン助川さん(59)と言えば、人によって抱くイメージが違うかもしれない。放送作家、ロックバンド「叫ぶ詩人の会」のボーカルを経て、作家として多数の小説を刊行してきた。まさに異能の人である。そこに新たな肩書が加わったのは2年ほど前。明治学院大の教授に就任したのだ。ところが、ほどなくしてコロナ禍に見
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元衆院議員・山尾志桜里さんが語る、野党の問題点 政権奪取へ、世代交代を
2021/11/4 12:47注目の連載 2963文字衆院選が終わった。「選挙に落ちればただの人」とは政治家のはかない身の上を表した言葉だが、今回も、各地で歓喜の万歳あれば、落胆の涙あり。では、自らの意思で永田町を離れたあの人は今、何を思うのか。国民民主党の元衆院議員、山尾志桜里さん(47)である。 「菅野(かんの)でお願いできないでしょうか?」 東
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この国はどこへ これだけは言いたい 「論理と合理」が品格破壊 数学者・藤原正彦さん
2021/10/22 12:47注目の連載 3606文字◇真鍋さん受賞「痛快」 大ベストセラーとなった著書「国家の品格」(2005年)で拝金主義がはびこる日本に警鐘を鳴らした数学者の藤原正彦さんは最近、ますます憂いを深めているという。東京都内にある仕事部屋で話をうかがっていると、研究資金の獲得のためにあくせくする後輩研究者らの窮状を嘆き始めた。 「今は
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ヘイトは消えたか
それって「反日」? 韓流ブームと「嫌韓」ごちゃまぜのニッポン
2021/10/19 13:00深掘り 5466文字大ヒットドラマ「冬のソナタ」が火付け役となった韓流ブームが日本で始まったのは、約20年前。その後も人気は下火になることなく、今や「K―POP」をはじめとする幅広い分野で韓流は文化として定着した感がある。その一方、日韓の政治的対立を背景に嫌韓的な空気も漂い、在日コリアンを標的にしたヘイトスピーチや「
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私がNHKをやめてやりたいこと 旧来メディア、危機こそチャンス
2021/10/7 08:00 5264文字「マスゴミ」という言葉が示すように、既存のメディアの価値を否定するような風潮が漂っている。実際、インターネットの隆盛と共に新聞の発行部数は年々落ち込み、若者を中心にテレビ離れも進む。そうした中、「逆に自分たちを進化させるチャンスが来ていると思えばいいんです」と言う人がいる。NHKで“NHKらしくな
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