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宿主を思うままに操る、ちょっとグロテスクな寄生生物たち
2022/7/12 11:00動画あり 1934文字地球上の生物の半数近くを占めるともいわれる寄生生物。その中には、さまざまな手法で宿主(しゅくしゅ)を操り、自分の暮らしやすさを追求する不思議な生き物がいる。ちょっとグロテスクなその姿に迫る。 川や池に落ちたカマキリのお尻から、にょろにょろと黒っぽく細長いものが出てくることがある。これはカマキリの内
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始まりは1羽の雌だった 中央アルプスで「絶滅」のライチョウ復活作戦
2022/7/10 11:00 2161文字約半世紀前にライチョウが絶滅したとされる中央アルプスで今夏、動物園生まれのヒナなどを野生復帰させる試みが始まる。苦い「失敗」も繰り返してきた復活大作戦。きっかけは、他の山から中央アルプスに偶然やってきた1羽の雌を登山客が目撃したことだった。 ◇氷河期の生き残り 手厚い保護事業 氷河期にユーラシア大
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今年は猛暑と予測 気候変動の影響明らか「熱波、さらに頻繁に」
2022/6/25 10:30 1881文字気象庁によると、25日以降も7月1日ごろにかけて北日本から西日本で気温が平年より高くなり、各地で猛暑日になる見通しだ。今年の夏は厳しい暑さが予想されている。猛暑には気候変動の影響が指摘され、熱中症や農業被害などの対策の重要性が年々増している。 ◇ラニーニャ現象で夏高温に 気象庁の7~9月の3カ月予
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暮らしの中の科学
ガラスはなぜ透明なのか? 非晶質の構造に秘密
2022/6/1 10:00 823文字「冷やし中華始めました」の張り紙が出始め、ガラスの食器で涼を呼びたい季節だ。ガラスはなぜ透明なのだろう。 「それは、水が透明な理由と一緒です」。解説してくれたのは、ガラス製品メーカーの勤務経験もある内野隆司・神戸大教授(固体化学)だ。 物質は温度が高まるにつれ、分子や原子の運動が活発になり、固体、
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手遅れになる前に… カキ養殖に忍び寄る気候変動の影響
2022/4/19 04:30 1692文字日本のカキ養殖の現場で気候変動の影響が表れ始めている。二酸化炭素(CO2)濃度上昇に伴う「海洋酸性化」が進行し、一時的にカキの生育に適さないレベルに達していることが初めて確認されたと北海道大の研究者らのチームが発表した。今のところカキの生育への影響はみられないが、関係者は観測と対策の重要性を訴えて
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「白いダイヤ」の闇ルートを断て 食と保全、ウナギ研究者の闘い
2022/4/9 15:00 4999文字「白いダイヤ」を守るために立ち上がった。ウナギの稚魚は色素が少なく、シラスウナギと呼ばれる。捕れなくなっており、その取引額は10年ほど前から1キロ当たり数百万円まで高騰。ダイヤに例えられる稚魚は、闇ルートでの流通や密漁が後を絶たない。 厳しい状況にあっても、2021年7月にあったウナギをテーマにし
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一刻の猶予もない気候危機 温暖化進めば人間と自然「適応の限界」に
2022/2/28 21:27深掘り 3903文字国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第2作業部会は28日、「人間が原因の地球温暖化が広範囲に悪影響を与えている」と初めて断定した第6次報告書を公表した。被害軽減のための対策「適応策」に限界があることも指摘。人類が直面する「気候危機」が、一刻の猶予もないほど深刻さを増していることを改め
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大量生産が短期間で可能に?植物の力で新型コロナのワクチン開発
2022/1/26 17:00 2137文字植物を育てて新型コロナウイルスに対抗する――世界初のワクチンが昨年12月、カナダで承認申請された。ウイルスに似た粒子を植物に作らせ、収穫した植物から抽出して抗原とする。短期間での大量生産、冷蔵輸送が可能になると期待される。その仕組みに迫った。 温室に茂る緑の葉。収穫する人が白衣姿でも、ここが「ワク
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不妊治療は「不要不急」だったのか 学会声明が残した爪痕
2021/12/8 16:00 2619文字「2万736人」。今年1~2月の出生数は前年同期と比べてこれだけ減った。出産人口の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「産み控え」の影響が指摘されている。 そんな中、不妊治療を続けるカップルには、さらに不安に拍車をかける出来事があった。いわゆる「十月十日(とつきとおか)」前の2020年4月
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北海道のウニ、サケ大量死 赤潮の原因プランクトンはどこから?
2021/10/21 18:44 1632文字北海道南東部の太平洋沿岸では、広範囲に発生した赤潮の影響とみられる秋サケやウニの大量死が確認され、甚大な被害が出ている。赤潮といえば、これまでは瀬戸内海や九州など温暖な西日本の沿岸での発生が多い。果たして、地球温暖化により北海道の海が暖かくなり赤潮が北上したのだろうか。取材すると、意外な原因が見え
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ノーベル物理学賞に真鍋氏 異例の受賞は「気候危機への警鐘」の声
2021/10/6 18:24 1373文字地球温暖化の将来予測の基礎を築き、今年のノーベル物理学賞受賞が決まった真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員(90)ら3氏は、記者会見などで気候変動対策の強化を訴えた。地球科学分野での受賞は異例で、そこには「気候危機への警鐘」というメッセージが込められているとみる声もある。 国連の
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地球温暖化予測の基礎築く 真鍋淑郎氏らにノーベル物理学賞
2021/10/5 21:12深掘り 2337文字今年のノーベル物理学賞に、気候変動予測の基礎を築いた真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員(90)ら3氏が選ばれた。地球科学では異例の受賞決定だ。地球温暖化に歯止めがかからず、コンピューターシミュレーションによる予測は我々の生活に欠かせない。真鍋氏らの業績に迫った。 18世紀の産業
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ノーベル賞って何? どう選ばれる? 知っておきたい基礎知識
2021/10/1 05:01図解あり 2019文字「世界で最も権威ある賞」の一つとされるノーベル賞は1901年に最初の授賞式が開かれ、今年で120年の節目を迎えます。今年は4日の医学生理学賞を皮切りに、11日まで各賞の受賞者が発表されます。日本の受賞は自然科学3賞で多く、特に2000年以降は相次いでおり注目されています。受賞者はどのように選ばれる
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有機EL、mRNA…今年の注目は 未来館流ノーベル賞の楽しみ方/下
2021/9/27 09:00 3508文字「日本科学未来館」(東京都江東区)の科学コミュニケーター3人が語り合う「ノーベル賞の楽しみ方」。後編は、近年の受賞分野の傾向や、印象に残った過去の研究について熱弁を振るっていただきました。未来館は2018年を最後に好評だった「受賞予想」をやめていますが、3人に今年の注目を尋ねると、あの研究も――。
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身近なモノに、実はすごい研究 未来館流ノーベル賞の楽しみ方/上
2021/9/26 09:00 3069文字今年もノーベル賞の季節がやって来ました。自然科学部門では、10月4日に医学生理学賞、5日に物理学賞、6日に化学賞の発表があります。年に1度の「科学の祭典」をもっと楽しむには? 東京都江東区の科学館「日本科学未来館」で科学技術を分かりやすく紹介している科学コミュニケーターの3人に語り合ってもらいまし
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政治を考える
選挙は手段 若者は政治参加をツールに 能條桃子さん
2021/9/16 06:00 3236文字この国の行方を左右する衆院選が遅くとも11月までにある。新型コロナウイルスへの対応など課題が山積する中、政治に何が求められているのか。有権者はどのように考えていけばいいのか。若者に政治参加を勧める一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さん(23)に話を聞いた。【聞き手
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抗体減少でワクチン効果は 鍵握る「メモリー細胞」の働きに迫る
2021/9/10 12:00深掘り図解あり 3609文字新型コロナウイルスワクチンの接種者が感染する「ブレークスルー感染」が注目を集め、先進国を中心に「ブースター」と呼ばれる追加接種を検討する動きが広がっている。その背景として注目されているのが、接種から一定期間が経過するとワクチンで得られた免疫を担う抗体が体内で減少してしまうことだ。しかし、抗体は免疫
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梅雨末期と酷似「どこでも線状降水帯に」 西日本の大雨長期化も
2021/8/13 20:27深掘り 2711文字前線の停滞で西日本を中心に梅雨末期のような大雨が続いている。2018年の西日本豪雨、20年の九州豪雨と、毎年のように記録的な大雨に見舞われ、大きな被害を出してきた日本列島。新型コロナウイルスの感染が急拡大している中で避難を余儀なくされている人もおり、身の安全の確保と感染防止をどう両立させるか。大雨
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米軍、猫、観光客…世界自然遺産に登録濃厚な「奄美・沖縄」の課題
2021/7/20 20:16深掘り 3628文字政府が世界自然遺産に推薦している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)が25日にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で審査され、登録される見通しだ。ユネスコの諮問機関が2018年、推薦地の選定や希少動植物の保護に問題があるとして登録延期を勧告して3年。国や地元
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西日本豪雨級の雨、温暖化で発生頻度3倍に さらに気温上昇では…
2021/7/10 07:00 2690文字毎年のように各地で発生する豪雨災害。今年も記録的な大雨に伴って、静岡県熱海市で土石流が起きるなど、深刻な被害をもたらしている。豪雨増加の原因として指摘されるのが地球温暖化だ。温暖化はどの程度近年の災害に影響をもたらしているのか。このまま気温上昇に歯止めがかからなければ、この先いったいどんな事態が予
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