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号外新型コロナ、国内の死者5000人に

無月の譜

「無月の譜」は将棋の駒をめぐる探求の物語。失われた名品の駒を求め、ある挫折感を抱えた男が旅に出ます。作・松浦寿輝さん、画・井筒啓之さん。

  • /49 松浦寿輝 画・井筒啓之

     しかし、プレーヤーの手の指と駒との間に、より「親密な」関係が成り立っているのは、西洋のチェスよりはやはり日本の将棋のほうなのではないか、と竜介は思った。たとえ…

  • /48 松浦寿輝 画・井筒啓之

     竜介はよく知らないが、西洋のチェスも中国のシャンチーも、それぞれ独自の面白さがあるらしい。起源は同じだから、将棋の飛車・角とチェスのルーク・ビショップのように…

  • /47 松浦寿輝 画・井筒啓之

     上田で将棋道場を開いてその師範に収まる。そこに集まってくる将棋ファンに自分の知識を分け与えて、その人たちが喜ぶ顔を見ながら日々を暮らす。その考えには内心、ちょ…

  • /46 松浦寿輝 画・井筒啓之

     長塚さんは、いくつかの駒のおもて裏を矯めつ眇(すが)めつして、仔細(しさい)に検分したり、楽しそうに撫(な)でさすったりしている。 ――基本的には、裏に書かれ…

  • /45 松浦寿輝 画・井筒啓之

     加藤一二三九段は、一か八かの勝負手を放つとき、あるいは自分の勝ちを読みきって、優勢を決定的にするような一手を指すとき、動かそうとする駒を取って、まずは勢いをつ…

  • /44 松浦寿輝 画・井筒啓之

     長塚さんは穏和な笑みを浮かべて、いやいやというふうに首を振った。 ――まあ、人それぞれだけどねえ。将棋は好きだけど、駒がどうか盤がどうかなんてことには何の興味…

  • /43 松浦寿輝 画・井筒啓之

     ――はあ、この駒、ついこないだ、師匠の尾形先生から頂戴したんです。まあ、餞別(せんべつ)みたいなものですかね。 ――そうか……。いや尾形先生、本当に良い人だね…

  • /42 松浦寿輝 画・井筒啓之

     ――じゃあ、横の木戸から庭に回ってください、と竜介は長塚さんに言った。縁側に盤を出しておきますから。 竜介は奥に引っ込むと、まず将棋盤を出してきた。家に元から…

  • /41 松浦寿輝 画・井筒啓之

     すると、長塚さんは長塚さんで、 ――そうか、それは本当に良かった、良かった、と穏和な笑みを浮かべてねぎらうように言ってくれる。いやあ、おれもさ、何か悪いことを…

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