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柏崎刈羽原発 「テロ対策不備」はなぜ起きたか 報告書を読み解く
2021/9/23 14:00 1551文字東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で相次いだテロ対策の不備について、東電は22日に原子力規制委員会に提出した報告書で、テロの危険性に関する理解不足を認めた。2011年3月に史上最悪レベルの福島第1原発事故を引き起こし、再起を誓ったにもかかわらず、なぜ問題が相次いだのか。【岡田英、塚本恒/科学環境部】
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原発テロ対策の不備招いた規制委の体制
2021/9/22 18:00 1758文字東京電力は22日、柏崎刈羽原発(新潟県)のテロ対策の不備を受け、原子力規制委員会に再発防止策などを盛り込んだ報告書を提出した。報告書では、社内の情報共有が不十分だったため、問題が相次いだことなどを認めた。一方、なぜテロ対策が不備だったのかを探ると、規制委側にも問題が見えてきた。【岡田英、塚本恒/科
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梅雨末期と酷似「どこでも線状降水帯に」 西日本の大雨長期化も
2021/8/13 20:27深掘り 2711文字前線の停滞で西日本を中心に梅雨末期のような大雨が続いている。2018年の西日本豪雨、20年の九州豪雨と、毎年のように記録的な大雨に見舞われ、大きな被害を出してきた日本列島。新型コロナウイルスの感染が急拡大している中で避難を余儀なくされている人もおり、身の安全の確保と感染防止をどう両立させるか。大雨
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再稼働目指す島根原発、どこまでが「地元」自治体? 専門家に聞く
2021/6/24 06:00 2190文字再稼働を目指す中国電力島根原発2号機(松江市)について、原子力規制委員会は、国の新規制基準を満たしていると判断した。再稼働は地元自治体の了解を得てからになるが、どこまでが「地元」の自治体なのか議論の決着はついていない。原発と自治体の関係に詳しい金井利之・東京大大学院教授(自治体行政学)は、どう考え
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県庁所在地にある島根原発 事故時、8.5キロ先の県庁は…
2021/6/23 11:58深掘り 2562文字中国電力島根原発(松江市)の2号機について、原子力規制委員会は23日、国の新規制基準を満たしていると判断した。意見公募などを経て、安全審査を通過することになる。再稼働に向けて一山越したが、疑問視されている避難計画の実効性など、解決すべき課題は多い。【目野創/松江支局、塚本恒/科学環境部】 ◇避難計
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敦賀原発の審査資料書き換え 規制委の調査で見えてきたのは
2021/6/16 06:00深掘り 2159文字再稼働を向け、原子力規制委員会の安全審査中の日本原子力発電・敦賀原発2号機(福井県敦賀市)。真下にある断層に関する審査資料を日本原電が無断で書き換え、審査は行き詰まったままだ。その真相を探ろうと、規制委は昨年暮れから、東京・上野の日本原電本店に異例の立ち入り調査を繰り返してきた。この半年間の調査の
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処理水放出の風評被害「賠償だけでは解決せず」 筑波大・五十嵐准教授
2021/4/16 09:00 1673文字政府は13日、東京電力福島第1原発の処理水を海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。政府の決定について、五十嵐泰正・筑波大准教授(地域社会論)は、漁業のビジョンの確立が風評を乗り越えるカギだとみている。【聞き手・塚本恒/科学環境部】 ◇ 処理水の処分について、国は長い時間をかけて議
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位置づけ失敗した処理水 飯尾潤氏「支持率失う恐怖感が影響か」
2021/4/15 08:00 1428文字政府は13日、東京電力福島第1原発の処理水を海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。政府の決定について、飯尾潤・政策研究大学院大学教授(政治学)は、前の安倍晋三政権が支持率への影響を気にして、長らく決定できなかったのではと分析する。【聞き手・塚本恒/科学環境部】 × × 最初に
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情の安倍氏、合理性の菅氏 処理水放出で分かれた判断 御厨貴氏
2021/4/14 07:00深掘り 1533文字政府は13日、東京電力福島第1原発の処理水を海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。政府の決定について、御厨貴・東京大名誉教授(日本政治史)は「安倍晋三前首相が情の人だったのに比べて、菅義偉首相は極めて合理主義的な人物だ」と評し、それが処理水への対応にも影響していたと語った。 ×
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「政府のやり方、風評被害広げる」 処理水海洋放出、専門家懸念
2021/4/13 14:00深掘り 1515文字政府は13日、東京電力福島第1原発の汚染処理水を海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。政府の決定について、専門家に話を聞いた。 ◇小山良太・福島大教授(農業経済学) 有識者による政府の小委員会が2020年2月に公表した報告書は「現地や関係業界と丁寧に議論をして、国民的な合意ができたら
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限界間近の汚染処理水 にじむ処分決断先行 風評被害対策に不安
2021/4/7 22:00深掘り 3499文字東京電力福島第1原発の汚染処理水の処分を巡り、政府は近く海洋放出を決定する方針を固めた。近日中に開かれる廃炉・汚染水対策の関係閣僚会議(議長・加藤勝信官房長官)で海洋放出が正式に決まれば、処分に向けて前進することになるが、風評被害対策など課題は多い。 ◇既に東京ドーム一つ分、22年度末に満杯 「汚
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「核のごみ」処分、各国難航 日本は建設場所選定進まず
2021/4/4 21:27深掘り 2515文字日本の核のごみをカナダが受け入れる構想の存在が明らかになった。背景には、日本国内での最終処分場選定作業の難航や、カナダ側の経済事情、外交戦略などもありそうだ。 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を巡っては、国内ではこれまで、地元の反発などがあり建設場所さえ決まっていない。 日
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原発のたたみ方
原子力規制委が探る「規制と自立」のベストミックス
2021/3/24 17:00 2231文字原子力規制委員会は、再稼働を目指す原発の安全審査だけでなく、廃炉が決まった原発についても作業が安全にされるのか、廃炉計画などをチェックする役割も担う。更田豊志委員長が感じている廃炉の課題とは――。【聞き手・塚本恒/科学環境部】 ――政府・東京電力の福島第1原発の廃炉工程表では、冷温停止となった20
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防災体制「不備」か「推定できず」か 原発差し止め、割れた司法
2021/3/18 21:00深掘り 3622文字日本原子力発電東海第2原発の運転差し止め訴訟で、差し止めを命じた水戸地裁判決は、実効性のある避難計画の策定という新たな課題を突きつけた。他の原発の再稼働や原子力政策に影響を与える可能性もある。一方、四国電力伊方原発では広島高裁が一転、運転を認める決定を出し、揺れる司法判断を示す格好となった。 ◇水
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次世代の原発までの「時間稼ぎ」 政府がいばらの道を歩む理由
2021/3/11 08:00 2673文字東京電力福島第1原発事故からの10年で、廃炉が決まったり再稼働が進まなかったりと原発を巡る状況は大きく変わった。それでも、1950年代から続く核燃料をリサイクルする国の政策は、維持されたままだ。60年以上前の政策を維持するために、さらに「次世代の原発」と呼ばれている高速炉の開発までの時間稼ぎをしよ
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福島第1原発、定義なき「廃炉」10年経ても手探り、遅れる作業
2021/3/10 12:00 2262文字国際的な事故評価の尺度で最悪の「レベル7」とされた東京電力福島第1原発事故。10年がたっても、まだ核燃料の取り出しすら終わっていない。今もなお、廃炉作業は手探りで進められている。【荒木涼子、塚本恒/科学環境部】 ◇米スリーマイル島事故を参考 1~6号機のうち、事故があった1~4号機の廃炉作業は工程
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福島第1原発、定義なき「廃炉」 10年経ても手探り、遅れる作業
2021/3/10 12:00 0文字 -
原発のたたみ方
福島第1の廃炉「工程の見直しが成功のカギ」 専門家が語る見通し
2021/1/26 13:00 2293文字東京電力福島第1原発の廃炉作業では、計画通りに進まないなど多くの課題を抱えている。こうした状況を、どのように乗り越えていけばいいのか。日本原子力学会の廃炉検討委員会で、廃棄物検討分科会の主査として中心的な役割を担う柳原敏・福井大特命教授が、そのカギを語った。【聞き手・塚本恒/科学環境部】 ◇目標が
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原発のたたみ方
福島第1原発、廃炉に必要な敷地、どう確保する?
2020/12/23 08:00 2129文字東京電力福島第1原発の敷地内では、廃炉に向けさまざまな施設が整備されようとしている。しかし、そのための敷地の確保は課題の一つで、増え続ける汚染処理水をためるタンクの増設スペースがないほどだ。敷地の活用状況は、どうなっているのか。 ◇タンク増設は「困難」 汚染処理水のタンクが建ち並ぶ福島第1原発。東
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