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2月24日の東京・サントリーホール。クリスティアン・ティーレマン指揮、ドレスデン州立歌劇場管弦楽団のコンサートに足を運ぶと、思わぬ人に出くわした。女優の吉永小百合だ。ブルックナーの交響曲第9番がメーンのプログラム。ティーレマンのタクトを堪能したようで、満足そうな表情で会場を後にする姿が印象的だった。
それから2週間後の3月10日、その吉永が東京・千駄ヶ谷の津田ホールのステージに立っていた。「祈るように語り続けたい 第二楽章 福島への思い」と題した朗読会。東日本大震災から4年となる節目に、東京電力福島第1原発事故で避難生活を余儀なくされている人々の詩を心を込めて読み上げ、満員の会場からはすすり泣きの声も漏れた。吉永たっての希望で、尺八奏者の藤原道山や箏(そう)の遠藤千晶が伴奏を務め、包み込むよ…
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