すぼめた口から繊細で、澄み切った音が流れる。ティーン世界一の口笛奏者、加藤万里奈さん(16)が、水戸市から「みとの魅力宣伝部長」に任命された。
口笛を始めたのは2012年9月、中学2年のころ。テレビ番組に出演する口笛奏者をまねて、同級生の前で披露したところ好評だった。本人いわく「ほめられたら伸びるタイプ」。友人の前で吹いていくうちに、上達していった。
それまで、家で口笛を吹くことは禁止だった。「幽霊が寄ってくるから」と言う母の弓子さんの言いつけを守り「一度も吹いたことがなかった」と話す。家の「禁忌」を破ったのはその年の暮れ。上達した口笛の演奏を「どうしても母に聴いてもらいたい」と思い、英国の歌手サラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を披露した。弓子さんは「一瞬でとりこになった」と当時の感動を思い出す。インターネットで世界一の口笛…
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