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東京・春・音楽祭2016

「東京・春・音楽祭2016」 聴きどころ、観どころたっぷり

2015年、東京春祭ワーグナー・シリーズ《ワルキューレ》のステージ 写真提供=東京・春・音楽祭実行委員会(C)堀田力丸

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東京春祭ワーグナー・シリーズvol.7 《ニーベルングの指環(リング)》 第2夜 楽劇《ジークフリート》全3幕演奏会形式上演 日本語字幕・映像付き

2014年、東京春祭ワーグナー・シリーズ《ラインの黄金》のステージ コンサートマスターはウィーン・フィル第1コンサートマスターのライナー・キュッヒル 写真提供=東京・春・音楽祭実行委員会(C)青柳聡

 今年で12年目となる春の風物詩「東京・春・音楽祭2016(以下春祭)」、中でも一昨年から始まったワーグナーの《ニーベルングの指環(リング)》第2夜《ジークフリート》は、これまで以上に聴き逃せないステージだ。ワーグナー・ファンであれば、春祭の《リング》と言えば、指揮のヤノフスキと世界的な歌い手、そして日本が誇るNHK交響楽団という極上の組み合わせで聴ける演奏会形式のオペラということで、実際に聴かれた方も多いだろう。ここでは、春祭に足を運んだことのない方にとってまたとないチャンスとなる《ジークフリート》をお勧めするポイントを三つ挙げてみたい。

1)ワクワクするストーリー展開

 《ニーベルングの指環》全4作品の演奏時間は約16時間、ワーグナー作品の中でもそのスケール感は他に類を見ない。中でも3作目にあたる《ジークフリート》は壮大な楽劇の中で大蛇との決闘シーンから打算的な祖父と孫の駆け引き、主人公ジークフリートの愛の目覚めまでドラマとしての面白さが満載だ。さらにここに至るまでの出来事、黄金の指環を巡る因果応報がジークフリートという英雄につながっていることで、途中からでもリングの世界に入っても十分楽しむことが出来る。初めてワーグナーというとてつもなく深淵な世界への扉を開けるのには、とても適している作品だ。

マレク・ヤノフスキ(c)Felix Broede

2)世界が注目するヤノフスキのワーグナー

 指揮のマレク・ヤノフスキは今夏バイロイト音楽祭に初めて登場し、《ニーベルングの指環》全4作を振ることが予定されており、近年彼のワーグナーは注目を集めている。重厚長大なイメージにとらわれることのないヤノフスキは、今を生きる人々に向けたワーグナー像をこれまでの春祭でも《ラインの黄金》《ワルキューレ》の2作品から提示してくれた。ワーグナーの総本山でもあるバイロイトに先立ち、聴きどころ満載の《ジークフリート》をどのような音楽で聴かせてくれるのか期待が高まる。

3)最高の歌手とオーケストラの共演

アンドレアス・シャーガー(C)David Jerusalem

 春祭のワーグナーは世界的に活躍する歌手が集うことでも、その音楽的なスケール感には定評がある。昨年はキャサリン・フォスターやヴァルトラウト・マイヤー、エリーザベト・クールマンといった女性陣が華やかな声の響宴で印象深かった。今年はジークフリートを歌うアンドレアス・シャーガーが初登場ということで注目を集めている。この夏はバイロイトで「さまよえるオランダ人」のエリック、来年はパルジファルを歌う予定という人気のテノール歌手だ。また、昨年の《ワルキューレ》でフンディングを歌い、魅力的な低音をきかせたシム・インスン(ファーフナー)やエギリス・シリンス(さすらい人=ヴォータン)、トマス・コニエチュニー(アルベリヒ)といった春祭《リング》の常連となった出演者と音楽祭初登場となるエリカ・ズンネガルド(ブリュンヒルデ)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)らの豪華共演も聴き逃せない。

注目の《ジークフリート》出演歌手

 そして、ワーグナー・シリーズではNHK交響楽団も忘れてはならない。この春祭・リングではウィーンフィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスター、ライナー・キュッヒルがN響のコンマスを務める。大編成のオーケストラがコンサートマスターによってその音色から音楽性まで変容するというのを深く感じたのが、2年前の《ラインの黄金》で初めてこの組み合わせを聴いた時だった。良い意味でここでしか味わうことのできないNHK交響楽団をぜひお聴き頂きたい。

リッカルド・ムーティ(c)Silvia Lelli

今年の注目公演 リッカルド・ムーティが春祭に登場!

 音楽祭もう一つの聴きどころとして、帝王リッカルド・ムーティが日伊国交樹立150周年の記念の年に両国の若手音楽家による特別編成オーケストラで音楽祭の開幕を祝う。これはマエストロ・ムーティーが10年以上心血を注いで育ててきたイタリアの若手精鋭たちによるケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団と日本の若手トップ奏者たちによるもので、この特別オーケストラはイタリアのラベンナフェスティバルにも参加する予定だという。

 ヴェルディの歌劇からこの夜のために抜粋された名シーンが演奏され、最後はボイートの歌劇《メフィストフェレ》という華やかなプログラム、一足早い春を祝う夜になるだろう!

東京春祭 歌曲シリーズ

 音響の素晴らしさで定評のある小ホールで行なわれる歌曲シリーズ、今年はクリストフ・プレガルディエン(テノール)がシューベルトの《冬の旅》をフォルジュ編曲の室内楽版で本邦初演する。既にヨーロッパで話題となった木管五重奏とアコーディオンで聴くシューベルトはどんな新しい世界に導いてくれるのだろう。

 ほかにはアイルランドの歌姫タラ・エロート(メゾ・ソプラノ)によるリストやブラームス、R.シュトラウス、《ジークフリート》にも出演するトマス・コニエチュニー(バス・バリトン)が歌うラフマニノフ、リヒャルト・シュトラウス、ワーグナーといった三者三様の魅力的な夜が待っている。上野の夜桜とともに楽しんでみてはいかがでしょう。(毬沙 琳)

公演データ

【東京春祭ワーグナー・シリーズvol.7 《ニーベルングの指環(リング)》 第2夜 楽劇《ジークフリート》全3幕演奏会形式上演 日本語字幕・映像付き】

4月7日(木)15:00  10(日)15:00 東京文化会館大ホール

指揮:マレク・ヤノフスキ

ジークフリート:アンドレアス・シャーガー

ブリュンヒルデ:エリカ・ズンネガルド

さすらい人:エギルス・シリンス

ミーメ:ゲルハルト・シーゲル

アルベリヒ:トマス・コニエチュニー

ファーフナー:シム・インスン

エルダ:ヴィーブケ・レームクール

森の鳥:清水理恵

管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル )

音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

映像:田尾下 哲

 

【日伊国交樹立150周年記念 リッカルド・ムーティ指揮 日伊国交樹立150周年記念オーケストラ演奏会】

ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団(c)Silvia Lelli

3月16日(水)19:00 17日(木)19:00 東京文化会館大ホール

指揮:リッカルド・ムーティ

管弦楽:日伊国交樹立150周年記念オーケストラ

  ~東京春祭特別オーケストラ&ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団

バス:イルダール・アブドラザコフ

合唱:東京オペラシンガーズ

児童合唱:東京少年少女合唱隊

合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ、宮松重紀

児童合唱指揮:長谷川久恵

 

ヴェルディ:歌劇 《ナブッコ》 序曲

  :歌劇 《ナブッコ》 第1幕 より 「祭りの晴着がもみくちゃに」

     :歌劇 《アッティラ》 第1幕 より アッティラのアリアとカバレッタ

         「ローマの前で私の魂が・・・あの境界の向こうで」

     :歌劇 《マクベス》 第3幕 より 舞曲

     :歌劇 《運命の力》 序曲

     :歌劇 《第1回十字軍のロンバルディア人》 第3幕 より「エルサレムへ、エルサレムへ」

ボイート:歌劇 《メフィストフェレ》 プロローグ

 

【東京春祭 歌曲シリーズvol.17】

3月25日(金)19:00 東京文化会館小ホール

メゾ・ソプラノ:タラ・エロート 

ピアノ: ヘニング・ルーエ

曲目:ブラームス、ハイドン、リスト、リヒャルト・.シュトラウス、ロッシーニの歌曲から

 

【東京春祭 歌曲シリーズvol.18】

4月2日(土)18:00 東京文化会館小ホール

テノール:クリストフ・プレガルディエン

フルート:小山裕幾

オーボエ・ダモーレ:金子亜未

クラリネット:西川智也

ファゴット:長 哲也

ホルン:日橋辰朗

アコーディオン:ジョセフ・ペトリック

シューベルト(フォルジェ編):《冬の旅》 D.911(室内楽版)

 

【東京春祭 歌曲シリーズvol.19】

4月13日(水)19:00 東京文化会館小ホール

バス・バリトン:トマス・コニエチュニー

ピアノ:レフ・ナピェラワ

曲目:ラフマニノフ、ペンデレツキ、リヒャルト・シュトラウス、ワーグナーほか

筆者プロフィル

 毬沙琳(まるしゃ・りん) 大手メディア企業勤務の傍ら、音楽ジャーナリストとしてクラシック音楽やオペラ公演などの取材活動を行う。近年はドイツ・バイロイト音楽祭を頻繁に訪れるなどし、ワーグナーを中心とした海外オペラ上演の最先端を取材。在京のオーケストラ事情にも精通している。

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