会員限定有料記事
15分、いや20分はゆうに続いた。マエストロ当人が制しなければ、まだまだ拍手は鳴り止まなかっただろう。
2月20日土曜日の東京・サントリーホール。満員の聴衆がスタンディングオベーションでたたえたステージにはダニエル・バレンボイム(73)とシュターツカペレ・ベルリン(ベルリン州立歌劇場管弦楽団)メンバーの晴れやかな顔があった。
それにしても圧巻の総立ち拍手だった。思い出したのは1993年5月の南仏カンヌ国際映画祭。中国のチェン・カイコー監督(63)の「さらば、我が愛/覇王別姫」の正式上映だ。エンディングロールが流れ始めた途端に嵐のような拍手が客席中央に陣取っていた監督や出演者らに向かって沸き立った。作品はニュージーランド出身のジェーン・カンピオン監督(61)の「ピアノ・レッスン」とともに最高賞のパルムドールを贈られたが…
この記事は有料記事です。
残り954文字(全文1325文字)