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イタリア・オペラの楽しみ

ハイCどころではないテノールの超高音がベッリーニ「清教徒」で連発する理由

 オペラをかじったことがある人でならほぼ例外なく、テノールが発する燦然(さんぜん)と輝く高音にうっとりと聴き入った経験があるだろう。テノールの高音の代名詞といえばハイC(3点C)、つまりト音記号の楽譜で五線上を超えたドの音で(テノールのパートは実音よりオクターヴ高く記すのが慣例で、実音は五線に収まっているが)、ルチャーノ(ルチアーノ)・パヴァロッティ(1935~2007年)はよく知られているように、ドニゼッティ「連隊の娘」でトニオが歌う「友よ、なんて晴れ晴れしい日だ Ah! mes amis quel jour de fête 」や、プッチーニ「ラ・ボエーム」のロドルフォのアリア「冷たい手を Che gelida manina」などで圧巻の高音を輝かせ、「キング・オブ・ハイC」の異名を得ていた。もっとも、パヴァロッティは40代後半からは実演でハイCを出すのが厳しくなり、たいていはアリア全体を低く移調し、HかB(シかシ♭)にして歌っていたのだが、それでも聴衆は高音に興奮したのである。

 ハイCが特別視されるのは、テノールにとって高音の限界のように理解されているからだが、実は、テノールにさらに高い音を求めている作品も少なくない。たとえば、ロッシーニは「オテッロ」(初演は1816年)のタイトルロールとロドリーゴ、「湖上の美人」(同1819年)のジャコモ5世、「ゼルミーラ」(同1822年)のイーロ、「セミラーミデ」(同1823年)のイドレーノなどの役にハイD(3点D)を書いている。ベ…

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