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イタリア・オペラの楽しみ

視覚と聴覚に訴えた「ロマン派の世界」 新国立劇場「ランメルモールのルチア」を見て

写真提供:新国立劇場(C)寺司正彦

香原斗志

指揮者・ビザンティとヒロイン・ペレチャツコにインタビュー

 初期ロマン派の悲劇の代表作に、ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」(1835年初演)がある。3月に新国立劇場が新演出で上演したが、ロマン派悲劇のなんたるかを知るうえでの好例だった。

 とりわけさえていたのは、この舞台を共同制作したモンテカルロ歌劇場の総監督でもあるモンテカルロ、すなわちモナコ生まれのジャン=ルイ・グリンダの演出、およびリュディ・サブーンギの美術であった。エンリーコの城内を除くと、舞台はスコットランドの海岸がイメージされた波が打ち寄せる岩場である。象徴的な大きな岩がさまざまな向きに置き換えられ、自然の情景に変化が加えられる。そこに照明が絶妙な加減で当てられ、舞台に立つ人物たちの心情までもが作為を経ずに自然に浮かび上がる。くぐもった空に、ときに適度に差しこむ光は、ルチアの心模様を象徴するかのように、時々で美しく、悲しく、激しく表情を変えるのだ。

 それはまさに19世紀のはじめ、ロマン派の絵画のなかにたびたび描かれた光景と重なるものだった。フラン…

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