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「新芸」とその時代

(23)マニラの雪……名作オペラ「夕鶴」と新芸 Ⅲ

長年にわたり歌劇「夕鶴」の演出を手がけた小田健也さん

 団伊玖磨の歌劇「夕鶴」は、1952年の初演以来、国内外での上演は800回を超える。そのうち300回以上の公演に携わったのが演出家の小田健也(87)だ。最初に声がかかったのは59年11月。初演から演出を担当していた恩師の岡倉士朗が亡くなった年の秋だった。

 「はじめは舞台監督として関わりました。岡倉先生が亡くなってから、先生と縁の深かった『ぶどうの会』の人たちがやっていたのですが、ある日電話があって、旅公演中に舞台監督が急に東京に戻ることになったので、代わりに行ってくれと頼まれました。かばんに着替えとなぐり(舞台で使う金づち)を1本入れ、上野駅から夜行列車に乗って、翌朝着いたのが(青森県の)八戸駅です。旅館といっても1階は土産屋のしけたところでした(笑い)。階段を下りて現れたのが新芸術家協会の社員でした。舞台監督をやってくれ、とスコアを渡され、今日は見ていてください、といわれました。何しろ、どんちょうをどこで上げていいかもわからない状態でしたから」。照明スタンドの脇から公演を見守ったものの「オペラを見るのは人生で2度目」で、それまで舞台裏についていた学生に教えてもらいながら、何とか翌日の公演を終えた。

 「当時は、公演が終わるとすぐにトラックに舞台セットなどを積み込み、夜通しかけて次の会場へ移動して『…

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