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加藤浩子の「街歩き、オペラ歩き」

王都にたたずむ優雅な劇場~マドリード、レアル(王立)劇場

レアル劇場外観

 不思議な劇場である。

 大都市の喧騒(けんそう)から切り離された閑静な広場の一角にたたずむ、瀟洒(しょうしゃ)な劇場。向かい合って建つ王宮の壮大さに比べたら、つつましいという表現が似合う規模だ。正面入り口を入ったところに広がる楕円(だえん)形のホワイエも、えんじ色の柱に囲まれた優雅な雰囲気ながら、手狭な感は否めない。吹き抜けになっているおかげで、なんとか空間が保たれている印象だ。階段の途中の踊り場や桟敷席を取り巻く廊下も、お世辞にもゆとりがあるとは言いがたい。

 だがその廊下をたどっていくと、いつの間にか宮殿のような空間へと迷い込む。劇場の紋章が縫いこまれた深…

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