メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

音のかなたへ

静けさを聴き取る

東京都杉並区で、山下浩一撮影

 ニーチェは耳について不思議なことを書いている。

 <私はまだ耳を持っているのか? それともまだ私は耳にすぎないもので、それ以上の何ものでもないのか?>(信太正三訳)

 分かりにくい書きようだが、続けてニーチェが、深い巣窟から聞こえてくる歌と、自分に襲いかかる咆哮(ほうこう)、脅迫とか甲高い叫びとを比べているのを見ると、ニーチェは<まだ耳を持っているのか?>と問いながら、かそけき音を聴き取りたいと望み、反対に<耳にすぎない>と嘆きながら、押し寄せる大きな音に耳を占められまい、としていることが分かる。

 深い巣窟の中から立ちのぼってくる歌を聴くように、世界のかすかな音に聞き耳をたてることで、ニーチェは…

この記事は有料記事です。

残り752文字(全文1052文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 参院補選2019 N国・立花党首「埼玉補選に落ちたら海老名市長選に立候補」と表明

  2. 拳銃置き忘れの女性巡査長に停職1カ月 風俗店でバイトも 依願退職

  3. 自民・岸田氏「補正予算案 1兆円超す規模」 台風19号

  4. 山口組ナンバー2出所 暴力団の勢力図、塗り替わる可能性も

  5. 菅原経産相の金品配布疑惑 選挙区の有権者複数が「メロンもらった」と証言

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです